ども、意外とまじめな岡田達也です。
劇団での稽古中
演出の成井さんから、
「おかたつさん、ようやく本気を出してくれましたか?」
と、言われたことが何度かある。
勘の良い方なら、おわかりだろう。
それまで不甲斐ない芝居しかしていなかった男が、ようやく演出家の望む芝居に一歩近づいたときに、冗談交じりに言われる言葉だ。
言っておくが、こう見えて手を抜いたりする男ではない。
いつだって本気だ。
だが、
悲しいかな、僕の本気は周囲に理解されにくい。
周りからは「こいつ、何を手抜いてるんだよ?」なんて思われていそうだ。
いや、間違いなく思われていると断言しよう。
その証拠に、
二本目の舞台『グッドナイト将軍』で「ナメ重(なめしげ)」という、有り難くない呼び名を頂戴し、
それ以降「おまえは芝居をなめてる」と言われ続けた男だ。
私の本気など、他人から見れば片手間にしか見えないのかもしれない。
*
10月からアルバイトをしている。
肉体労働系だ。
鍬やつるはしを持ち、ひたすら土をめくり、特殊な器具で土地を均す。
そして延々と土を運ぶ。
おそらく、ピラミッドを作った古代エジプト人や、大阪城の築城に関わった現場の人たちは、このような苦労をしたのだと思われる。
……俺はカイジか???
さておき、
慣れない仕事だし、何の知識もないけれど、
いや、だからこそ、与えられた役割くらいは精一杯こなしたい
そう思って鍬やつるはしを振って頑張ってきた。
もう一度言う。
「意外とまじめ」なのだ。
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、数々の腰痛を抱えながらも、騙し騙し戦い続け、
(……そんなに大袈裟な話なのか?)
ようやく慣れてきたかな、と思っていたときだった。
右手に、違和感があった。
なんだか右手の指が痛いな……
その、経験したことのない痛みは治まることなく、日に日に増していき、中指、薬指、小指の3本の動きが悪くなってきた。
握る、開く、がスムーズにできないのだ。
そうこうしているうちに手首まで痛み始めた。
……なんじゃこりゃ???
あまりに痛くて、鍬を握る手に力が入らないので、このままだと迷惑をかけると思い、現場の先輩に訊いてみた。
「あぁ、それなぁ、腱鞘炎だわ」
な、なに?
け、け、けんしょうえんだとぅ???
「最初は必要以上に力が入るから、そうなる人、多いんだわ」
「そうなんですか?」
「重い物を握って動かし続けるけなぁ。普通はやらんだろ?」
く、くそぅ
舞台上であれほど日本刀を振り回し、多くの人を斬ってきた男だぞ
普通の人よりも手首の強さだけには自信があったのに
本物ではなく竹光だったのがいけないのだろうか?
あれがホンモノの日本刀だったら、今ごろ俺の手首は鋼のような強さに育っていたかもしれない
残念でならない……
「今日は俺が鍬を持つから、岡田さん、やれることやりなよ」
「いや、でもーー」
「いいから、いいから」
「す、すみません!」
*
令和の時代に、こんなこと言うのはナンセンスだろうけど、
「与えられた仕事は何としてもやらなければ」という意識はどこかにある。
しょせん僕は昭和生まれの男。
たぶん、この精神はずっと変わらない。
まじめにやった代償が腱鞘炎なら、
「おぉ、これは人生初の経験だよ! よろこんで付き合おうじゃないか!」
という、半ば逆ギレの精神で仕事に臨んでいる。
いや、まぁ、それはいいんだけど……
腱鞘炎でお困りのみなさん
これ、なかなか辛いですね
何か良い方法はありますか?
詳しい方、ご教授ください。
では、また。
追伸
明日21時~です!