ども、インフルエンザを打たれた左腕が痛い岡田達也です。




昨日は仕事終わりにインフルエンザ予防接種に行ってきた。


言っておくぞ

私は注射が嫌いだ

大嫌いだ!

(声高に言われてもな……)



医学に関しての知識はまったくない男が言うことだから許してほしいのだが

これだけ医学が進歩している世の中なのに、未だに注射に代わる方法が生み出されないのはどうしてなのだ?

なぜ身体に針を刺さねばならんのだ?

頼む

誰か教えてくれ


 *


私がどれほど注射が嫌いか、というエピソードの一つを話そう。

ただしーー

想像力が豊かな方は読まない方がいいかも。

多少の痛みを伴う可能性があるので、気の弱い方はお休みされたし。


 *


とある芝居の稽古中だった。

その日は、最後の通し稽古だった。

クライマックスの殺陣のシーンでアクシデントが起こった。

僕の額に、相手の武器が、ぶつかった。

正面衝突だった。

あってはならないことだ。

だけど、言い訳させてほしい。

稽古の進行が遅れていて、その日、初めて本意気(実際のスピードとテンション)で立ち廻りをやったのだ。

その影響は少なからずあった、と思う。


額に衝撃が走った。

僕はその場に崩れ落ちた。

僕の頭を中心に血だまりができた。

 

らしい。

僕は仰向けに倒れたので、直接目にしていない

 

たぶん、その血を見ていたらチキンな僕は失神していただろう。

 

仰向けに倒れて良かった、と今でも思っている。


その後に聞いた話では、その場にいたほとんどのメンバーが「この人、死んじゃう……」と思ったそうだ。
(安心してください。生きてます)

みんなが駆け寄ってきて、僕の衣裳を脱がせにかかった。

僕は傷口を抑えるのが精一杯で動けなかった。

そのまま救急車で近くの総合病院に担ぎ込まれた。


優し気なお医者さんだった。

割れそうに痛い頭を、、、

というか

本当に割れている頭を診ながら、いろいろ話しかけてくださった。


「これは、縫わないとダメだね」

「そうですか」

「でもね、君、これは不幸中の幸いだよ」

「どうしてです?」

「パックリ割れてるからね。とても縫いやすいし、何より傷口が残りにくいでしょう」

「それはありがたいです」

「何十年か経てば、額のシワに見えるようになるかもしいれない」

「ラッキーです」

 

「ツイてるね(笑)」

 

「ツイてる男なんです(笑)」

「じゃ、麻酔してから縫合しよう」

「あの、先生ーー」

「なに?」

「つかぬ事を伺いますがーー」

 

「?」


「麻酔無しで縫うのは可能ですか?」


思わず口にしていた。

僕はそれほど注射針がイヤだった。


「麻酔無しで縫うのは可能ですか?」

「は?」

「麻酔無しでーー」

「君ね、」

「はい」

「痛いの嫌いか?」

「大嫌いです。ってか、好きな人いるんですかね?」

「そういう臆病な人が麻酔しないで額を縫うなんて。自殺行為だよ」

 

「……」

 

「まちがいなく気絶するよ」

「……」

「聞けば、君は今度の舞台で坂本龍馬を演じるそうじゃないか?」

「そうです」

「坂本龍馬がどれほどの豪傑か知らないけど、彼も麻酔を選んだと思うよ」

「……」


「というか、冷静に考えてごらんよ」

 

「?」

 

「縫うっていうのは針を通すんだよ」

 

「はぁ」

 

「何針もね」

 

「耐えられる?」

 

「無理ですね」

 

「悪いことは言わない。打っておきなさい」

「よろしくお願いします」


その後、僕の額には麻酔が打たれ、12針ほど縫われた。
 

 *


今までの人生で、身体を縫ったのはこの1回だけ。
(これから先、まだあるかもしれないけど)


それ以来、麻酔を打たれないで済むように、

日々、息を殺して、

大人しく、

誰にもぶつからないように、

静かに生きている。

 

おかげで麻酔は打たれていないけど、

 

ワクチン接種、インフルエンザ、人間ドックの採血、

 

これらだけは避けて通れないでいる。

 

次は年明けの人間ドックだ。

 

それまでに注射針に代わる何かが誕生することを願おう。

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

 

追伸

 

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