ども、ロサンゼルスでトランジットに失敗したことがある岡田達也です。
鳥取県米子市に来ている。
高校演劇部のコーチを務めるため。
昨日も4時間みっちりやってきた。
稽古を見ながら考える。
15〜17歳という瑞々しい感性の持ち主たちが吐くセリフを壊さずに、
より多くのお客さんに伝わるようにするためには、どんなアドバイスが効果的なのか?
ずっとずっと考える。
僕には彼らが生まれる前から演劇をやってきたというキャリアがあるけれど、だからといって僕の言うことがすべて正しいわけじゃない。
演劇に限らず、何事においても「経験値」というのは貴重な財産だと思う。
だけど、その使い方を間違えると財産は老害へと変化する。
だからこそ、時間がかかってもいいから、演じる彼らが腑に落ちるよう言葉を探す。
「ここは早くやってみよう」と言うなら、「なぜ早くしたほうが良いのか?」の理由を明確にして渡してあげること、
「ここはこんなふうに動いてみよう」と言うなら、「その動きを選ぶとどう効果的なのか?」を説明し納得した上でチャレンジしてもらうこと、
例えばそんなこと。
以前、第三舞台の長野里美さんと共演したときに、こんな話をされたことがある。
「長く劇団をやっているうちに、(演出の)鴻上さんが「早くやって」「強く言って」の一言で、役者はどう演じてほしいのか?を理解するようになった。そうなると、一緒に芝居を作っているはずなのに言葉が減っていった。長くやることの功罪かも」
これは、深い。
自分の言葉を信じることと、疑うこと。
それを忘れないであと一日。
普段、考え事をしないポンコツな頭には負荷が高いけど、今日も若者たちと楽しい時間を過ごしてこよう。
* * *
うちの若者たち……
いや、老若男女が大阪で千穐楽を迎えます。
よろしければ劇場へ足をお運びください。
では、また。
追伸
オンライントークショー『東京砂漠』
次回は16日土曜日の21時スタートです。