ども、今年もドラフトにかからなかった岡田達也です。
昨日のつづき。
……断っておくが
昨日の夜までそんなものを書く気は無かった。
その証拠に
昨日の日記の文末は
「では、また。」で締めくくっている。
もしも続きがあるなら
「つづく」と書いているはずで。
だが、
急に「つづき」が生まれた。
昨日の昼間に。
*
私は働いていた。
重い腰痛を抱えながら
それでも
労働の対価を得るために
それはつまり
生きるためであり
食べるためであり
吞むためであり
そして何より
現在入院療養中の
父・隆夫さん(88)の面倒をみるために。
昼休みになった。
腰をさすりながらスマホを開いた。
メールが入っていた。
隆夫さんからだった。
「おはよう😆明太子のざつぎりふたきれ、エスマートのするめかイカのこうじ漬け。よろしくお願いします。」
(原文まま)
ほほぅ
そうですか、そうですか
炙った明太子がお気に召しましたか
昨日の今日でこんなメールが入るとは。
いつから「ぶつぎり」を「ざつぎり」と呼ぶようになったのか問題はさておき
一昨日、面会したときに伝えてある。
「今週末は仕事で米子に行くので、次は来週平日のどこかになる」と。
しかも、メールや言葉だと忘れてしまう可能性が大なので
ちゃんとメモ用紙に書いて、
本人に手渡しし、
目の前で音読してもらった。
隆夫さんも
「わかった、わかった」
と了解していた。
返信した。
「おはようございます。
了解しました。
来週になりますがお持ちします」
*
午後の休憩時間。
再び隆夫さんからメールが入っていた。
「今日の夜九時までにもってこれればお願いします。とてもたこわおいしかった。たこわさか、エスマートのこうじ漬けお願いします🎵時間に余裕があればお願いします🎵たこわさ全部食べました。詰め所に預けてもらったらいいです😂」
(原文まま)
……もしもし?
……しもしも?
私、メモを渡しましたよね?
「次は来週」って念を押しましたよね?
「わかった、わかった」っていいましたよね?
それから
病院の夕食って夕方の5時ですよね?
「夜9時までに」ってなんですか?
何を急いでるんですか?
夜のおつまみにでもするんですか?
それから
大事なことなのでもう一度言いますけど
面会時間は14~16時なんですよ
強行突破してでも来いってことですか?
それから
絵文字が妙に浮かれて見えるのは私だけですか?
いやいや
使い方は正しいと思いますよ
88歳のじじぃが打ってるメールとは思えないすばらしい出来ですよ
それはわかります
わかりますけどなんだかイラっとします
いや、ウソです
入院している人に向かって「イラっと」するわけありません
いや、それもウソです
ちょっとイラっとしました
病院に電話した。
「○○病院です」
「すみません、面会時間以降に差し入れを届けることは可能でしょうか?」
「病室と入院患者さまのお名前を教えてください」
「○○号室の岡田隆夫です」
「確認しますので、少々お待ちください」
「はい」
「大丈夫です。救急の入り口から入っていただいてナースステーションまでお越しください」
「ありがとうございます!」
仕事を終えた私は
イオンに明太子を買いに行き
こんがりと炙ってアルミホイルに包み
たこわさが売り切れだったので
いかボール(天ぷら)を購入し
病院に届けた。
「次は来週の平日まで来られません。何があっても」
というメモも一緒に。
*
ひょっとしてーー
隆夫さんは私のことを
ウーバーイーツか何かだと思っているのだろうか?
とりあえず次の配達依頼を待とう。
では、また。