ども、まだ短パンで暮らしている岡田達也です。

 

 

 

 

 

我が父・隆夫さん(88)は

 

現在、入院療養中。

 

 

コロナの影響もあり

 

面会謝絶になっており

 

家族の私も週に2回

 

1回の面会につき15分まで

 

という制限がある。

 

 

面会の手順はーー

 

まずは病院の窓口で

 

「病棟訪問申請書」という用紙に

 

必要事項を記入して提出し

 

確認が取れたら

 

ネームプレートに入った「病棟訪問許可書」という札を渡され

 

それを首からかけることによって

 

ようやく病棟に行くことができる。

 

 

 *

 

 

先日

 

隆夫さんとの面会を終えて

 

近所のスーパーに立ち寄り買い物している最中

 

何かが指に引っ掛かった。

 

 

あっ!

 

なんてこった!!

 

「病棟訪問許可書」を首にぶら下げたまま持って帰ってしまってるではないか!!!

 

あ~ぁ

 

病院まで戻ってこいつを返さなくては……

 

 

こういうとき“人は己を呪う”。

 

(私だけでしょうか?)

 

 

このとき私は反省し、作戦を立てた。

 

「私のことだ。次回以降も、この病棟訪問許可書を返却し忘れる可能性は非常に高い。次からは首に掛けないで、手に持っておこう。そうすれば嫌でも気が付くだろうし、忘れるわけがない。そうしよう、そうしよう。うん、さすが私だ。私自身を誰よりも知っているぞ」と。

 

 

 *

 

 

昨日

 

面会に行った。

 

 

窓口で許可書を渡された。

 

手に巻き付けようとしたところ

 

「首から下げてくださいね」

 

と、笑顔で言われたので

 

とりあえず首から下げておくことにした。

 

 

「ま、病室に入ったら、手に持っておこう」

 

そう考えてエレベーターに乗った。

 

 

 *

 

 

残念ながら

 

今のところ隆夫さんの退院の目途は立っていない。

 

それはつまり

 

まだ病院での治療が必要な状態ということであって

 

当然だが

 

調子が良い日も、悪い日もある。

 

面会に行って差し入れさえしておけば

 

それでいいというわけでもない。

 

 

毎回、毎回、

 

体の状態を尋ね

 

食欲の有無を確認し

 

食べられそうなものを聞き出し

 

メールをチェックし

 

ときには髭を剃り

 

介護用品の在庫を確認し、

 

なんてしていると

 

ついつい考え事をしてしまう。

 

あれやこれや

 

これからのことetc

 

 

 *

 

 

昨日も面会のあと

 

近所のスーパーに立ち寄った。

 

買い物の最中

 

何かが指に引っ掛かった。

 

……

 

……

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ」

 

今年一番大きなため息をついてしまった。

 

 

 *

 

 

大好きだったおばあちゃんがいつも言っていた。

 

「ため息の数だけ幸せが逃げるよ」と。

 

 

それはイヤなので

 

次回からは

 

許可書を首に下げるのではなく

 

昔のアイドルのごとく

 

鉢巻きのようにして頭に巻いておくことにしよう。

 

 

うん

 

我ながらとても良い作戦だと思う。

 

 

どうしたって

 

考え事ってしちゃいますよね

 

 

 

 

 

では、また。