ども、天下一品の鍋スープが気になっている岡田達也です。





昨日

死ぬほど嫌いな歯医者に行った。

(歯科関係者のみなさま、すみません。けっして悪気はないんです)


「定期健診」だ。

定期健診はけっして義務じゃない。

そんなに嫌なら行かなければいいだけの話だ。

しかし、

悪くなって(痛くなって)から行くのでは

いろんな意味で手遅れになるケースもありうる。


「鳥取県一の小心者」

「見掛け倒しのジャイアン」

「ガラスのハートを持つ男」など

小心者の見本みたいな私は

最悪のケースを招かないためにも

定期健診に行くようにしている。


 *


若い女性の歯科助手さんに言われた。

「岡田さん、前回よりも奥歯の歯茎のポケットが少し深くなってますね」

この一言だけで

地獄へ送り込まれたようなものすごいショックを受けたが

平静を装って答えた。

「そうですか……」

「歯磨きはしっかりされているみたいなんですけどね」

「やってます! 歯茎から血が出るほどやってます!」

「それはやり過ぎです」

「……すみません」

「フロスとか使ってますか?」

「フロスは入りにくい場所があるので、歯間ブラシを使ってます」

「なるほど」

「それでもダメなんですね?」

「いや、ダメというわけじゃないですよ。ただーー」

 

「?」

 

「岡田さんのように口角下制筋が強い方は、噛みしめる力が強い傾向にあるんです」

 

「口角下制筋?」

 

「そうです。舌の下にある筋肉ですね」

 

「はぁ」

 

「その部分が人より盛り上がってますよね?」

 

「……いや、口の中を他人と比べたことがないのでわかりません」

 

「そうですか」

 

「はい」

 

「日常で、知らず知らずのうちに歯を嚙みしめてしまっていることはないですか?」

 

「う~ん……」

 

「奥歯の噛みしめは、かなりのテンションなんです。それによって、歯が動いてしまうことがあります」

 

「なるほど」

 

「歯ぎしりは?」

 

「一時期、ひどかったんですが、今は顎を固定するマスクを着けて寝ているので、以前ほどではないと思います」

 

「では、テレビを見ているときとか?」

 

「口に力が入るような見方はしていないつもりですが」

 

「これからは意識して口を緩ませてみてください。それだけでもずいぶん違いますから」

 

「はぁ」

 

 

 *

 

 

子供のころ

 

口がポカンと開いてしまうことがよくあった。

 

そのたびに

 

母や祖母に「ほら、また口が開いている」と指摘された。

 

その躾けのおかげで口を閉じることを覚えた。

 

覚えてしまった。

 

ひょっとして

 

口が緩いままの人生を送っていたら

 

今ごろは引き締まった歯茎でいられたのだろうか?

 

いや、でもなぁ……

 

口が緩い人生ってどうよ?

 

 

悩ましいところだが

 

40代で総入れ歯になった

 

父・隆夫さん(88)のようにはなりたくない。

 

死ぬまで自分の歯で食事したい。

 

 

もしもこの先

 

舞台上で私の口が開いていたら

 

「あぁ、あいつ、歯茎のためにわざと弛ませてるんだな」

 

とご理解いただけると幸いだ。

 

 

……んなアホな

 

 

 

 

 

では、また。