ども、食欲の秋が暴走している岡田達也です。

 

 

 

 

 

かおりが好きだ。

 

 

「香ちゃん」という女性のことではなくて

 

「匂い」の方の「香り」の話。

 

(……誰でもわかるわ。まぜっかえすな)

 

 

我が家の玄関とリビングには

 

お気に入りのアロマディフューザーが置いてある。

 

そんなに強い匂いではないので

 

そばを通るとフワッと香る程度なんだけど

 

それで十分。

 

加齢臭にまみれた男の心を癒してくれる。

 

 

もうすぐ終わるので

 

新たな香りを見つけるべく

 

近所のドン・キホーテへ出かけた。

 

 

店内をパトロールしていると

 

どこからともなく金木犀の甘い香りがしてきた。

 

その香りに釣られて近付いてみると

 

なんと「金木犀コーナー」が特設されているではないか。

 

 

金木犀の消臭剤

 

しかも、トイレ用、お部屋用、

 

さらに

 

金木犀の香りがするらしい洗顔、クレンジングオイル、

 

ハンドクリーム、フェイシャルクリーム、フェイスパック、

 

それから入浴剤まで。

 

 

……こんなコーナー、去年もあったっけ?

 

いつからこんな金木犀ブームがやってきたんだ??

 

 

 *

 

 

亡き母・秀子さんが一番好きだったのが

 

この金木犀の香りだった。

 

 

子供のころ

 

二人で歩いていて

 

どこかの家の庭から金木犀が香ってくると

 

必ず足を止めて

 

「私、この香りが一番好き」

 

と、毎度同じセリフを聞かされたものだ。

 

 

正直に言うと

 

幼い頃はこの匂いがそこまで好きじゃなかった。

 

けっしてイヤではなかったんだけど

 

近くで香ると、どうにもキツく感じられたから。

 

 

「お母さん、もう行こうよ」

 

と、先を促すと

 

「もう少し泥棒させて」

 

と、秀子さんらしからぬ発言をしていたのが懐かしい。

 

 

そして僕も大人になり

 

キツイと感じていたあの香りが大好きになった。

 

 

一年中、金木犀の香りがするのはどうかと思うけど

 

今の季節なら大歓迎だ。

 

きっと秀子さんも喜んでくれるだろう。

 

遺影の側に置いておくように

 

お部屋用の消臭元を購入した。

 

 

 *

 

 

気のせいかもしれないけど

 

お庭に金木犀が植えてある家が少なくなったような気がする。

 

(ちなみに我が家にもありません)

 

金木犀が香ってるうちに

 

我が家の近所を探索してみようと思う。

 

もしも見つけたら

 

肺が破れるほど泥棒してやろう。

 

 

 

 

 

では、また。