ども、初日を迎える岡田達也です。

 

 

 

 

 

昨日も場当たり(テクニカルリハーサル)。

 

スタッフさんの頑張りで

 

ほぼオンタイムで進行することができた。

 

すばらしい。

 

 

ちょっとわかりにくい話かもだけど……

 

役者は

 

稽古開始から劇場入りまで

 

毎日稽古するのに対し

 

スタッフ(音響、照明、舞台)さんは

 

稽古場ではひたすら稽古を見ているだけ。

 

で、劇場に入ってから

 

ようやく本番の機材を使用して芝居に参加していくのが基本。

 

(もちろん音響さんは稽古場でも音を出したりします)

 

 

芝居は「やってみなければわからない」という部分はたくさんあるので

 

この場当たりというのは非常に長丁場となる。

 

 

例えば

 

今回の芝居は実質2時間10分として

 

場当たりに用意されていたのは全部で12時間以上

 

つまり6倍にもなる。

 

そんなに用意されていても

 

ギリギリになったり

 

足りなくなることだってある。

 

だから

 

可能な限りスタッフさんに時間を渡すために

 

役者はスムースな進行を心掛けなくてはいけない。

 

 

それなのに……

 

あぁ、それなのに……

 

 

若い頃の私は

 

場当たりの最中

 

その未熟さ故

 

演出家である成井さんの気に入らない言い回しを連発し

 

セリフの稽古になってしまうことがよくあった。

 

 

自分が怒られることは仕方がない。

 

下手なんだからしょうがないと思える。

 

だけど、

 

それによって“場当たりを止めてしまうこと”

 

これが辛かった。

 

 

言ってみれば「岡田達也待ち」になるのだ。

 

 

音響さんは音を出したい

 

照明さんはゲージやタイムを調整したい

 

舞台部さんは装置を動かしたい

 

小道具さんは役者が実際に使っているところを見てみたい

 

衣裳さんだって役者が着ている姿を見たい

 

 

想像してほしい

 

みんなみんな1分1秒でもいいから時間が欲しい中で

 

自分が舞台上でひたすら同じセリフを繰り返している……

 

 

「達也っ、早くしろよ!」という視線が

 

矢のように飛んできて体に突き刺さり

 

(例え話です)

 

なんなら劇場の壁を通り抜け

 

歌舞伎町を歩いている人が何人か倒れていた。

 

(流れ弾に当たったみなさん、すみません)

 

 

「針の筵」とはこのことで

 

生きた心地がしなかった。

 

 

ちなみに

 

このとき僕に与えられた称号は

 

「場当たりストッパー」だった。

 

 

……どうだ?

 

……すげー、呼び名だろ??

 

呼ばれたことあるか???

 

あるわけないよな????

 

 

さすがに今ではセリフの練習が始まることは無いけど

 

(時代が違います)

 

これは忘れられない思い出。

 

 

あの経験があるからこそ

 

場当たりがスムースに進行すると

 

必要以上に安堵する。

 

 

 *

 

 

本日、初日です。

 

 

優秀なスタッフさんに囲まれているのは

 

本当にありがたく、そして心強い。

 

とは言え

 

誰か(役者、スタッフ)がちょっとでも油断すると

 

大きなトラブルに繋がる舞台機構であることは間違いないので

 

今日のゲネプロも、丁寧に、慎重にやっていこう。

 

 

みんなで無事に幕が開けられることを祈って。

 

 

 

 

 

では、また。