ども、久しぶりに馴染みの店を満喫した岡田達也です。

 

 

 

 

 

本日から劇場入り。

 

池袋サンシャイン劇場に向かう。

 

 

サンシャイン劇場

 

もはや我が家と言っていい。

 

 

たぶん

 

おそらくだけど

 

僕がサンシャイン劇場の舞台に立った数は

 

日本の俳優の中で10本の指に入るんじゃないだろうか?

 

いやいや

 

大袈裟でも何でもなくて。

 

ちゃんと数えたことないけど

 

1,000ステージ近くやってると思う。

 

 

「歩くサンシャイン劇場」と呼んでもらってかまわない。

 

 

 *

 

 

何年か前に劇場が大規模な改装をした。

 

 

その直前

 

当時の劇場支配人・Nさんとご飯を食べに行ったときのこと。

 

Nさんに尋ねられた。

 

「岡田さん、楽屋周りで“こうしてほしい”という希望はありますか?」

 

 

一役者の意見なんて反映されることはないだろう。

 

だけど、この際だから言いたいことを言っておこうと考え

 

いくつか提案してみた。

 

 

「洗面台のカランなんですけど」

 

「はい」

 

「今はお湯と水が別々で出てくるじゃないですか?」

 

「そうですね」

 

「あれ、混合栓になってると便利だと思います」

 

「なるほど」

 

「あと、お手洗いとシャワールームは、別々の方が使い勝手が良いかと」

 

(当時は同じスペースに設置されていた)

 

「なるほど」

 

「それから、ケータリングのスペースが無いですよね?」

 

(当時はそのスペースが無く、狭い通路に無理やりテーブルを置いてケータリングコーナーを作っていた)

 

「そうですね」

 

「それがあればとても便利ですよね」

 

「たしかに。でも、取れる広さが無いんですよね」

 

「そうですよね~。ま、ただの希望なんで気にしないでください」

 

「いや、覚えておきます」

 

 

数ヶ月後

 

改装されたサンシャイン劇場に行ったところーー

 

 

楽屋の洗面台はすべて混合栓に変わっていた。

 

トイレは単独になり、新たにシャワールームが設置されていた。

 

そして、腰が抜けるほど驚いたのは

 

小さな楽屋を一つ潰して

 

そこに広々としたケータリングコーナーが作られていたこと。

 

僕が希望した改善点は

 

すべて理想通りに変わっていたのだ。

 

 

……

 

……

 

背筋が寒くなった。

 

 

もちろん、喜ばしい改装ではある。

 

あるけど

 

あまりにも僕の希望通りになっていたので

 

ちょっと怖くなったのだ。

 

しかもだ

 

楽屋が一つ無くなってるなんて

 

やりすぎじゃないのか???

 

 

いや

 

まさかね

 

Nさん

 

ちがいますよね?

 

偶然ですよね?

 

僕が希望しなくても

 

時代的に考えて

 

そういう改装が入る予定だったんですよね???

 

 

何度かNさんに確認しようと思ったけど

 

それを尋ねる勇気が出せないままでいたところ

 

Nさんは移動となり劇場から離れてしまった。

 

 

岡田達也のリクエストが叶ったのか?

 

それとも偶然の一致なのか?

 

その真意は永遠に闇の中に葬られた。

 

(……今からでもNさんに訊けよ)

 

 

なのでそれ以来

 

演劇関係者には

 

「サンシャイン劇場の楽屋が今の形になったのは俺のおかげだ」

 

と、うそぶいて回っている。

 

 

Nさん、すみません

 

面白いので

 

もう少しだけ法螺を吹かせてください

 

 

 

 

 

では、また。