ども、暑い日には熱いものが食べたくなる岡田達也です。

 

 

 

 

 

子供のころ

 

今は亡き母・秀子さんによく言われていた。

 

「お米一粒にはね、7人の神様が宿ってるの。だから粗末にしないでキレイに食べなさい」と。

 

 

その教えに反抗するつもりはなかったけど

 

「それはつまり食べ物を粗末にするなって言いたいだけだよね?」

 

という、可愛げのない考え方をする子供だったので

 

7人の神様が何者なのか?

 

については深く追求しないでご飯を食べていた。

 

ま、その当時は言われなくても残さなかったけど。

 

 

今さらだけど調べてみた。

 

諸説あるらしいが

 

信憑性の高そうな文章を見かけた。

 

 

①水:稲が良く育つ豊富な水

②土:栄養分の豊かな土

③風:受粉を行う風

④虫:虫はお米を食べる害虫の事ではなく、その害虫を食べてくれるトンボや蜘蛛の虫

⑤太陽:成長に欠かせない太陽の光

⑥雲:太陽の光を当てすぎない雲

⑦作り手:苦労しながら八十八の手間(工程)をかけて米作りをする作り手。

 

米を育てる米作りにはこの七つの要素が一つでも欠けてしまうと、お米を作ることは出来ないとのこと。

 

なるほど、なるほど……

 

 

 *

 

 

父・隆夫さん(88)の唯一の仕事

 

それが「炊飯」だ。

 

 

毎日、一合の米を研ぎ

 

炊飯器をセットして

 

その日の夕飯に半分ちょっと食べ

 

残ったご飯をおにぎりにして翌日の昼に食べる。

 

 

「そんな面倒くさいことしなくても、一度にたくさん炊いて冷凍しておけばいいのに?」とよく言われる。

 

だけど、炊きたてに勝るものはないと思っているし

 

(これは僕のこだわりです)

 

仕事があるほうが隆夫さんのためにもなると考えているので

 

(これも僕のこだわりです)

 

お願いしている。

 

 

 *

 

 

昨日

 

炊きあがったご飯を茶碗によそった。

 

 

……ん?

 

……おかしいな??

 

毎日、同じ量の米を見ているので

 

一合がどれほどの量なのかは把握している。

 

今日はいつもと比べて米が少ないぞ……

 

 

あっ!

 

またか

 

また神様を流しやがったか

 

 

そう

 

隆夫さんはすっかり目が悪くなっているので

 

米を研ぐとき、どうしても米を流してしまうのだ。

 

それが一粒二粒じゃなくて

 

わりとごっそり流してしまうことがある。

 

どうやら昨日はいつも以上に神様を放流されたらしい。

 

 

 *

 

 

まじめな話

 

もったいないのは確かだ。

 

そう思うなら僕が炊飯すればいいだけなのも承知している。

 

米を研ぐ道具もいろいろ進化しているのも知っている。

 

 

だけど

 

目が悪くて

 

手元もおぼつかなくて

 

米の研ぎ方が変えられなくて

 

そのせいで神様が多少犠牲になったとしても

 

それでも

 

炊飯の仕事があることを優先したいと

 

僕が思ってしまう。


 

米農家の方、ごめんなさい

 

秀子さん、ごめんなさい

 

どうか僕のエゴを許してやってください

 

流された神様はできるかぎり救出していますので。

 

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

 

追伸

 

次回の東京砂漠が決まりました!

 

ゲストはキャラメルボックスOGの温井摩耶です!

 

お楽しみに!