ども、一年中断捨離している岡田達也です。

 

 

 

 

 

今日は憂鬱なことと、楽しみなことが一つずつ待っている。

 

 

午前中に歯医者へ行く。

 

こいつがたまらなく憂鬱だ。

 

 

今の気持ちを文字化するなら

 

はぁ

 

はぁぁぁぁぁ

 

はぁぁぁぁぁあああああ

 

ああああああああああああああああ

 

いやんばかんふうんそこはおくばなの

 

みたいなかんじだ。

 

 

虫歯ではないし、痛みもないし、

 

ただの定期健診だけど

 

「今日こそこの世の終わりかもしれない」という恐怖で震える。

 

(すみません、大袈裟な人間なんです)

 

 

それでも私が歯医者に立ち向かう理由は

 

私の父・隆夫さん(88)が

 

早くに己の歯をボロボロにし

 

40代で総入れ歯となった人なので

 

「父のようになりたくない」という一心だ。

 

 

それを思えば

 

隆夫さんが反面教師として役立っていると言っていい。

 

 

 *

 

 

僕は歯並びが悪い。

 

 

食べ物の咀嚼はまったく問題ないけど

 

それでも、やっぱり、キレイに並んでいる歯に憧れる。

 

 

東京の掛かり付けの歯医者さんで

 

何度か先生に相談したことがある。

 

1本、どうしても許せなかった歯は削り取ってしまった。

 

もう一箇所、これまた気になって仕方がない部分があり

 

「ここも直したいんです!」と訴えた。

 

だが……

 

その先生は商売っ気の無い方だった。

 

 

「あぁ、これね」

 

「はい」

 

「気になるのはわかるよ」

 

「気になるんです」

 

「だけどね、これを矯正するにはかなり広げなきゃだめだから」

 

「はい」

 

「そうするとかみ合わせが悪くなるな」

 

「そうですか」

 

「それに、そこだけ抜いて差し歯を入れるには幅が狭すぎるし」

 

「そうですか」

 

「周りの歯を4本くらい削って、インプラントをはめ込むことは可能だと思うけど……」

 

「けど?」

 

「これは私の持論でねーー」

 

「?」

 

「自分の歯はできるだけ削らない方がいいんだよ」

 

「……」

 

「第一に、その方が内臓に負担がかからない」

 

「そうなんですか?」

 

「あぁ、自分の歯で噛めるってのは大事なことなんだよ」

 

「はぁ」

 

「死ぬまで自分の歯で食事したいもんだねぇ」

 

「そうですね」

 

「それからねーー」

 

「はい」

 

「顔の整形手術を思い浮かべてごらんなさいよ」

 

「僕はやったことないんですよね」

 

「キミが整形してるとは言わないよ」

 

「?」

 

「だとしたらもっと男前でしょう?」

 

「……」

 

「ワッハハハハハ」

 

「先生、面白くありません」

 

「ん」

 

「……」

 

「整形するとね、そのときは良くても、何年かしたら必ず歪が出てくるんだな」

 

「はぁ」

 

「それと同じで、いじれば、そのツケが必ず現れる」

 

「はぁ」

 

「でも、どうしてもって言うならやらんでもない」

 

「ん~、悩ましいですね」

 

「あとーー」

 

「?」

 

「キミは役者なんだよね?」

 

「はい」

 

「歯並びが変わると、滑舌が変わるよ」

 

「……」

 

「良くなるか、悪くなるかは、賭けみたいなもんだからね」

 

「……」

 

「そこの覚悟が必要だな」

 

「わかりました。少し考えさせてください」

 

「あいよ」

 

 

結局

 

その、おじいちゃん先生の言葉を信じて手を加えなかった。

 

それが良かったのか、悪かったのかはなんとも言い難いところではあるけど

 

 

たまにテレビで見かける

 

あまりにも人工的で真っ白な歯よりはいいかな?

 

と思うようにして自分を納得させている。

 

(誰とは書いてませんからね)

 

 

歯並びのきれいな方

 

うらやましいっす。

 

 

さて、午後の楽しみなことを想像しながら歯医者に行こう。

 

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

追伸

 

 

次回の『東京砂漠』は

 

6月24日(土)11時~ です!