ども、Mリーグファイナルが始まったので全集中の岡田達也です。

 

 

 

 

 

昨日のつづき

 

 

 *

 

 

酒を飲みながら考えていた。

 

「そうだよな」

 

「隆夫さんの耳を観察しないで購入した俺が悪いんだよな」

 

「じゃ、次こそは隆夫さんでも気持ち良く装着できるような集音器を買えばいいんだよな」

 

「でもさ……」

 

「自分の物でもないのに、なんで4個も集音器を買わなにゃならんのだ?」

 

「それだけあれば何回お気に入りの飲み屋に行ける?」

 

「何日素敵な夜を過ごすことができると思う?」

 

「いやまてまて……」

 

「そういう問題じゃないだろ?」

 

「生活のストレスを解消するのにはこれしかないんだぞ?」

 

 

このような葛藤が渦巻き

 

最終的にはアルコールの力を借りて

 

耳掛け式ではない

 

見た目も悪くない集音器を探し出し

 

一つ深呼吸してから

 

購入ボタンを押した。

 

 

商品が届いた。

 

 

こ、

 

こ、これは!

 

まるでiPhoneのブルートゥースイヤホンじゃね~か?

 

集音器に見えないんですけど!

 

なんちゅうパクリの技術の高さなんだっ!!

 

 

 *

 

 

「これ、買ったから」

 

「もう、ええのに!」

 

「いやいや、ぜひとも使ってよ」

 

「……」

 

 

ここで挫けてる場合じゃない

 

 

「これなら耳の穴に入れれば良いだけだし!」

 

「……」

 

「マスクもメガネも絡まないし」

 

「……」

 

 

もう一押し

 

 

「それにね!」

 

「……」

 

「これは、若者が使っているイヤホンの形にそっくりなのよ!」

 

「わかもの?」

 

「そう! 高校生とか大学生とか、20代の若者とかが使っているイヤホンの形と同じなんだよ」

 

「へ~」

 

「誰も集音器だとは思わないだろうね」

 

「若者、か」

 

「そう!」

 

 

かかったな

 

 

「若者、なぁ」

 

「うん」

 

「グフッ(笑)」

 

「かっこいいでしょ?」

 

「そうだなぁ! 集音器には見えんなぁ!」

 

「うん。その若者たちが使うイヤホンは3万円以上はする品でね」

 

「さ、さ、さんまんえん!」

 

「そう。どう見たって安物には見えないね」

 

「安物には見えんか?」

 

 

ここでダメ押しだ

 

 

「逆に80過ぎた人が付けてたら、「あの人一体何者なんだろう?」って思われること間違いなし!」

 

「そうか! そう思われるか?」

 

「保証する」

 

「なら、木村さん(パチンコ屋の食堂で働く僕よりも10歳ほど上のお姉さん。隆夫さんが大好きな人)に見せないけんなぁ!」

 

「……ムリに見せなくてもいいと思うけど」

 

「木村さんに自慢せないけんなぁ!」

 

「……」

 

「「岡田さん、それなんだ?」って訊かれるだろうやぁ!」

 

「……」

 

「そしたら「あぁ、これですか? これは音楽を聴いとります」って言わないけんなぁ!(笑)」

 

「……」

 

「音楽を聴いとりますってなぁ!」

 

「……」

 

「グフェフェフェフェ(笑)」

 

 

こうして第一段階はクリアできた。

 

 

 *

 

 

「同じ悩みを抱えています」という内容のメッセージを頂戴した。

 

そう

 

これはきっと僕だけの悩みじゃない。

 

日本中の多くの方が困っている問題なんだろう。

 

 

よ~くわかります

 

その苦しみは

 

 

だって、

 

隆夫さんの基本姿勢は

 

「補聴器は高いし、失くすし、年寄りみたいでイヤだ」

 

「耳鼻科は面倒くさいから行きたくない」

 

「テレビのボリュームを聞こえるまで上げればいい」

 

「周りの人が大きな声で話してくれればいい」

 

「それで何の問題もない」

 

であって

 

隆夫さんに限らず

 

昭和初期生まれの方に見られがちなこの考え方は

 

ちょっとやそっとじゃ揺るがないことはわかってますから。

 

 

僕と同じ悩みを抱えているみなさん

 

フラストレーションを溜めないためにがんばって戦いましょう。

 

小さな一歩でも諦めないで試してみましょう。

 

力にはなれませんが応援しています。

 

 

 *

 

 

もし僕の耳が遠くなり

 

聴こえなくなってきたら

 

補聴器だろうが、集音器だろうが、即お世話になろう

 

 

 

 

 

では、また。