ども、ヤクルトの蓋が上手に開けられない岡田達也です。
『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』という劇中に
「男の嫉妬はみっともない。そんなことはわかっている」
みたいなセリフがあったと記憶している。
名言だ。
*
父・隆夫さん(87)が通うパチンコ店の常連さんに
小林さん(仮名)という方がいる。
隆夫さんよりも20歳ほど年下の男性で
土木関係の仕事をされている。
その小林さんの奥様がヤクルトレディ的な仕事(?)をされているとかで
売れ残ったものなのか、新商品なのか知らないが、
栄養ドリンクや、ゼリー飲料を
旦那さんが毎日のようにパチンコ屋に持ってきて
隆夫さんに差し入れしてくださる。
隆夫さんはそれらを毎日持ち帰り
「もう、えぇ(要らない)って言うのに、「飲まないけん!」って2本も渡してきてなぁ、怒るだけなぁ」
と、口では嫌そうにそのときの様子を再現する。
そのくせ
顔はとても嬉しそうに、ニコニコしながらドリンクを飲んでいる。
実にわかりやすい天邪鬼だ。
*
数日前
帰宅した隆夫さんが珍しく怒っていた。
「今日なぁ!」
「?」
「小林さんがなぁ!」
「うん」
「お父さん以外のなぁ!」
「……」
「女の店員さんにもなぁ!」
「どうした?」
「ドリンクを配っとった!」
「あ、そう」
そりゃそんなこともあるだろうよ
別におかしなことじゃないと思うが……
何をそんなに怒ってるんだ???
「女の店員さんにもなぁ!」
「……」
「袋から取り出してなぁ!」
「……」
「み~んなになぁ!」
「……」
「配っとった!」
「……」
「お父さんだけでええのになぁ!」
「……」
「他の人には配らんでええがっ!」
えええええぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!!
そこ??
そこに怒ってるの???
まさかの焼きもち???
「女の店員さんにもなぁ!」
ん?
んん??
んんん???
「女の店員さん」ってところが妙に強調されてるな
ってことは
1 小林さんが、自分以外の人にも配っている事実がイヤなのか?
2 小林さんが、女の店員さんにサービスしていることが、色男・隆夫としては鼻に付くのか?
こりゃ、どちらの可能性もあるな……
「まぁ配るぐらいのことはするでしょうよ」
「ええが、別に、配らんでも!」
……だからその理由は何なんだ?
「いいじゃない、お父さんはいつも貰ってるんだから」
「だけぇ、お父さんだけでええが!」
……わからん
これは、一体、どっちなんだ???
*
「男の嫉妬はみっともない」
そんなセリフがあったよ、と言ってあげようかと思ったがやめておいた。
僕にとって、これは笑い話になる予感がするので
しばらくは放っておこうと思う。
では、また。