ども、最近はソースよりも塩焼きそばにハマっている岡田達也です。

 

 

 

 

 

5月の中旬に所用のため東京へ行く。

 

 

鳥取から東京へ行くにはいくつかの移動手段がある。

 

飛行機

 

JR特急(『スーパーはくと』)と新幹線の乗り継ぎ

 

JR寝台車(サンライズ出雲)

 

高速バス

 

自家用車

 

ヒッチハイク

 

自転車

 

らくだ

 

徒歩

 

どこでもドア

 

……など、選択肢は多岐にわたる。

 

 

なので

 

予算と、時間と、体力と、精神力と、根性と、家庭の事情と、

 

そのあたりを考慮しながら旅程を考える。

 

 

結果、今回の移動は『サンライズ出雲』で往復することにした。

 

 

 *

 

 

みどりの窓口に行った。

 

 

「どちらまで行かれますか?」

 

 

僕よりも10歳ほど若い男性の駅員さんだった。

 

 

「東京までの往復割引切符を購入したいのですが」

 

「かしこまりました。お日にちはお決まりですか?」

 

「5月13日です」

 

「何時頃の新幹線をご希望ですか?」

 

「いえ、岡山まで『スーパーいなば』で行って、そこから『サンライズ出雲』を使いたいんですけど」

 

「かしこまりました。お調べしますのでお待ちください」

 

「はい」

 

 

数秒後

 

 

「『サンライズ出雲』の寝台、ご用意できます」

 

「ありがとうございます」

 

「お帰りの日にちは?」

 

「5月14日の夜、東京発の『サンライズ出雲』でお願いします」

 

「ということは、東京に着いたその日の夜に東京発ということになりますが。間違いないですか?」

 

「はい」

 

「かしこまりました。お調べしますのでお待ちください」

 

 

数秒後

 

 

「お客様」

 

「はい」

 

「あいにく『サンライズ出雲』が満席でして」

 

「えっ、そうなんですか? 困ったな……」

 

「その代わり『サンライズ瀬戸』でしたらまだお席が残っていますね」

 

 

 *

 

 

鉄道ファンの方ならよくご存じのはず。

 

『サンライズ出雲』と『サンライズ瀬戸』は

 

東京駅を出発し、岡山まで連係して走り

 

そこで切り離し作業が行われ

 

『サンライズ出雲』は島根県出雲市へ

 

『サンライズ瀬戸』は香川県高松市へ向かう。

 

 

ちなみに

 

鳥取へ行く場合は

 

岡山で降りて特急『スーパーいなば』に乗り換えるので

 

出雲だろうが瀬戸だろうが

 

どちらに乗車しようと問題はない。

 

 

 *

 

 

「サンライズ瀬戸で構いません」

 

「かしこまりました。では発券しますので少々お待ちください」

 

 

駅員さんがモニター画面をタッチし始めた。

 

数十秒後

 

 

「では、こちらが行きの切符です。鳥取から岡山まで、岡山から東京までの特急券と、乗車券です」

 

「はい」

 

「こちらが帰りの切符です。東京から岡山まで、岡山から鳥取までの特急券と、乗車券です」

 

「ありがとうございます」

 

「あの、お客様ーー」

 

「はい?」

 

「帰りの便ですがーー」

 

「はい?」

 

「必ず岡山で起きてください」

 

「はっ?」

 

「くれぐれも寝過ごさないようにしてください」

 

「はぁ」

 

「『サンライズ瀬戸』は高松に行きます」

 

 

僕がこの寝台車を使うのは初めてではない。

 

というか、数えきれないくらい乗っている。

 

 

「知ってます」

 

「お客さんが起きないと、そのまま四国へ行くことになります」

 

「……まぁ、そうなりますよね」

 

「起きたら高松です」

 

 

そもそもの話だが

 

“岡山で起きては降車に間に合わない”

 

と思われる。

 

本気で鳥取に帰りたいと思うなら

 

ある程度、余裕を持って起床し、身支度をして

 

岡山駅到着で降りるべきだろう。

 

ギリギリを楽しむスリルなんて要らない。

 

 

それに

 

“起きたら高松”ということは

 

僕が終点まで目を覚まさない前提で話が進んでいる。

 

 

……僕はそんなに寝過ごしてしまいそうな人相なのだろうか?

 

 

「ありがとうございます。おそらく大丈夫です」

 

「お客様が購入されたのは『サンライズ瀬戸』ですので、くれぐれもお忘れなく」

 

「はい」

 

「必ず岡山で起きてくださいね」

 

 

 *

 

 

“親切心”

 

それは大切なことだ。

 

この駅員さんの心遣いには素直に感謝する。

 

 

だけど、とも思う。

 

僕はそんなに寝過ごしそうな顔をしているのだろうか?と。

 

確かに睡眠が大好きな人間ではあるけどね……

 

 

駅員さん

 

安心してください

 

姫路を通過したあたりで起きますから。

 

ご忠告、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

では、また。