ども、餃子はよく焼きが好きな岡田達也です。

 

 

 

 

 

久々にホットプレートを引っ張り出し

 

お好み焼きを焼いた。

 

 

自分で言うのもなんだが

 

安定の出来栄えで、金が取れるウマさに仕上がった。

 

 

このお好み焼きを食べるたびに

 

「やはりお店を開くべきか?」

 

という思いと

 

「しかしそうなると鳥取県知事の道を諦めなければならないし」

 

という思いで気持ちが揺らぐ。

 

(……頼むから一生揺らいでてくれ)

 

 

この極上の品を

 

父・隆夫さん(87)が無料で食べているかと思うと実に腹立たしいが、

 

親も子も選べないのが人生というものなので

 

ここは「私を息子に持った隆夫さんがラッキーだった」としよう。

 

 

 *

 

 

サイドメニューに「ニラ饅頭」を用意した。

 

正確には日本ハムが出している「にら焼餅」という商品。

 

 

これがウマい。

 

ビールにもハイボールにもチューハイにも合う。

 

抜群に合う。

 

 

しかもホットプレートが用意してある状態なら

 

ただ置いておけばいいだけなので

 

調理の必要も無く楽なことこの上ない。

 

 

これまでお好み焼きを作ったときにも何度か登場してもらっている。

 

少なくとも3回。

 

 

 *

 

 

隆夫さんが言った。

 

「……これは、なんだ?」

 

「ニラ饅頭」

 

「おいしそうだなぁ」

 

 

こんがりとした焼き目さえ付いていれば

 

この人の目には何だって美味しそうに映る。

 

 

「おいしいよ」

 

「そうか」

 

隆夫さんは一口食べた。

 

「おいしいなぁ!」

 

「でしょ?」

 

「初めて食べた!」

 

「……いや、これまでも何度か食べてるよ」

 

「そうか?」

 

「うん」

 

しかし、僕の返事は、彼には届いていないようだった。

 

もう一口食べて言った。

 

「おいしいなぁ」

 

「でしょ?」

 

「初めて食べた!」

 

「……(聞いてんのか人の話?)」

 

「また食べたいなぁ!」

 

「わかった」

 

 

これが、一昨日の夜の話。

 

 

 *

 

 

昨日の朝

 

パチンコ屋へ出勤する隆夫さんを車で送っていた。

 

 

その車内でーー

 

「昨日食べたのはニラ饅頭かいなぁ?」

 

「そう」

 

「あれはおいしかったなぁ」

 

「それは良かった」

 

「また食べたいなぁ」

 

「うん、また焼くよ」

 

「それにしてもーー」

 

「?」

 

「初めて食べたなぁ!」

 

「……」

 

「ニラ饅頭なぁ!」

 

 

これは、わざとか?

 

わざとなのか?

 

それともケンカを売ってるのか??

 

 

「あのさ、」

 

「なんだ?」

 

「昨日も言ったけど、前にも食べてるから」

 

「えっ?」

 

「3回は食べてるよ」

 

「そうか?」

 

「うん」

 

「覚えとらんもんだなぁ」

 

「……」

 

「不思議だなぁ」

 

「……」

 

「なんでだろうなぁ?」

 

「……」

 

 

このやり取り、毎回やってる気がする

 

いや、確実にやってる

 

隆夫さんはニラ饅頭を覚える気がないのだろうか?

 

それともいよいよボケ始めたのだろうか?

 

それとも息子の神経を逆撫でする作戦なのだろうか?

 

 

いずれにせよ

 

この天丼が続くかぎり、僕は毎回せつない気持ちになる。

 

はやく終わりを迎えて

 

笑顔でニラ饅頭を食べられる日が来ることを切に願う。

 

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

追伸

 

本日12時からです!

 

阿部丈二くんと、山本沙羅ちゃんと、大森美紀子先輩を迎えていっぱい雑談します。

 

アーカイブありますので、よろしければ。