ども、ひざ下のボールをフェンス直撃の岡田達也です。

 

 

 

 

 

……おまえじゃなくて大谷選手な

 

 

さてさて、昨日のつづき。

 

 

主な登場人物

 

・私

 

・私の父・隆夫さん(87)

 

・Aさん(葬儀屋さん)

 

 

 *

 

 

Aさんとの打ち合わせを終え帰宅した。

 

 

「あのさ」

 

「なんだ?」

 

「葬儀屋さんと契約してきたから」

 

「そうか」

 

「うん」

 

「ありがとうな」

 

「どういたしまして。で、金額だけどーー」

 

「お、おぅ」

 

「20万円を積み立てる形にしたから」

 

「お、おぅ」

 

「毎月、俺の口座から5,000円ずつ引き落としがかかるのね」

 

「お、おぅ」

 

「それが40ヶ月」

 

「俺の口座から」

 

「お、おぅ」

 

「お父さんじゃなくて」

 

「お、おぅ」

 

「いろいろ手続するの面倒でしょ?」

 

「お、おぅ」

 

「だから俺の名義でね」

 

「お、おぅ」

 

「で、実際の葬儀にかかった費用から、その20万円を差し引いて、さらに不足分を支払うのよ」

 

「家族葬にしても20万円じゃ足りんか?」

 

「足りないね」

 

「そ、そうか」

 

「吉恵おばちゃんのときは、ありとあらゆる部分を抑えたけど、それでも20万では済まなかったよ」

 

「お、おぅ」

 

「つまりこの20万円は頭金みたいなものだから」

 

「お、おぅ」

 

「これで全額払ったわけじゃないから」

 

「お、おぅ」

 

「だからーー」

 

「お父さんがその額をたっちゃんに渡せばいいんだな?」

 

「そのとおり」

 

「毎月5,000円か?」

 

「うん」

 

「ってことはーー」

 

「?」

 

「お父さんとたっちゃんで毎月2,500円ずつってことだな?」

 

「……えっ?」

 

 

 *

 

 

もしもし、隆夫よ?

 

隆夫さんよ??

 

 

ここは呑み屋か?

 

呑み屋のお会計なのか??

 

 

幹事 「宴たけなわでございますが、そろそろお開きにしたいと思います!」

 

全員 「は~い!」

 

幹事 「お会計ですが、一人3,000円でお願いします!」

 

先輩A 「いやいや、俺、多めに出すよ!」

 

幹事 「いや、でもーー」

 

後輩B 「ありがとうございますっ!!!」

 

先輩C 「俺も出す! 飲んでない人もいるし!」

 

後輩D 「いや、でも、その分食べたんで、割り勘でいいっす!」

 

先輩E 「いやいや、俺は先輩だから多めに出すよ」

 

後輩F 「あざ~っす!」

 

幹事 「あ~、もう、めんどくせーんだよっ!! 今日は人数も多いし、割り勘!」

 

全員 「……は~い」

 

じゃね~んだよよよよよっっっっっ!!!!!

 

お金を出すことよりもっ!!

 

みんなが納得する着地点を見つけるのが一番大変なんだよっ!!!

 

だから、幹事の言うことは聞けよっ!!!

 

 

……

 

……

 

あれ?

 

なんだこれ?

 

例えが変な方向にねじ曲がってるな

 

 

話を戻そう

 

 

なぜ折半になる?

 

たしかに生活費はすべて折半してるよ

 

だけど、

 

これは、貴方の葬儀代金で

 

しかも

 

一度は積み立てていたものを知らぬ間に勝手に解約していて

 

それを再び契約したんだぞ

 

 

……いや、まてよ

 

もしかすると

 

世の中の多くは

 

親の葬儀代金は子供が出すのが普通であって

 

折半どころか、全額子供の自分が出す方が正しいのだろうか?

 

ってことは、経済力の無い俺が悪いということか?

 

 

いやいや

 

葬儀代くらい出すよ

 

たぶん出せるよ

 

参列者が5000人とかじゃないし

 

隆夫さんの葬儀は国葬にもならないと思うし

 

 

だけど

 

俺が全部出すのは何かが引っ掛かるのですよ

 

お父さん

 

わかります?

 

 

「いや、割り勘じゃなくて」

 

「全部出さないけんか?」

 

「できれば」

 

「お、おぅ」

 

「5,000円がきつかったら3,000円でもいいよ」

 

 

ついつい口がすべってしまった

 

 

「なら、そうして!」

 

「……」

 

「3,000円!」

 

 

あ~あ

 

やっちまった

 

ま、いっか

 

 

「わかった」

 

「なら毎月3,000円払うけなぁ!」

 

「……うん」

 

 

こうして無事(?)に話は成立した。

 

隆夫さんは月々3,000円、私に支払っていく。

 

67回払いだ。
 

ってことは完済するのは5年半後の予定だ。

 

……

 

……

 

生きていたら93歳

 

はたして結果はいかに???

 

 

ノンフィクションでお届けした

 

葬儀代金のドタバタも今日でおしまい。

 

だが、我が家の戦いはまだまだ続いていく。

 

 

いろいろ苦労されているみなさま

 

がんばってください

 

あなただけじゃありませんから。

 

 

最後になりましたが

 

この日記を読んでいないであろうAさん

 

本当にありがとうございました。

 

これからもよろしくお願いいたします。

 

 

 *

 

 

 

 

つまらない話をお聞かせしてしまったお詫びです。

 

今年も満開になりました。

 

 

 

 

 

では、また。