ども、『名探偵コナン』の生みの親と同郷の岡田達也です。
私の父・隆夫さん(87)の
我が家において唯一の重要な任務は
「自分が食べる夕食のお米を研ぎ、炊飯器のスイッチを入れること」だ。
僕は、ウエイトコントロールのため
(というか飲酒したいので)
夜は可能な限り米を食べないようにしている。
だから「自分の食べる米は自分で準備してほしい」と頼み
(イジメではありません。これくらいの仕事は本人のためです)
隆夫さんも快く引き受けてくれて
それが我が家のルールとなった。
ただし
隆夫さんがパチンコに行くときは炊飯が不可能なので
そういうときは
僕が準備するか
あるいは
コンビニで食べたいおにぎりを購入してもらうようにしている。
*
一昨日の夜
夕食時
隆夫さんに尋ねた。
「明日はパチンコ行くの?」
隆夫さんはまるで汚いものでも見るような目で僕を見ながらこう言った。
「行かんわよ~~~~~っっっ!!!」
「……」
「行くわけないわよ~~~~~っっっ!!!」
「……」
「よう(釘を)閉めとるしなぁ!!!」
「……」
「行くわけないわよ~~~~~~っっっ!!!」
「あ、そう」
*
昨日
僕は10時から美容院の予約を入れていたので
9時30分くらいに出かけようとした。
隆夫さんはめずらしく、その時間になっても起きてこなかったので、声をかけないまま家を出た。
美容院は鳥取駅前にあり
隆夫さん行きつけのパチンコ屋の近くでもあるので
僕はいつもパチンコ屋に車を止めてそこから徒歩で行く。
(大丈夫です。車を止めたら必ずそこでパチンコをやってますから。「おまえ、無断駐車じゃね~か!」などと騒がないでください)
カットしてもらい、パチンコ屋まで歩いて戻ったところで、
フト……
言葉にはしにくいけど
何か
嫌な予感みたいなものが
僕の背中に走った。
駐車場に行く前に、店内を覗いてみた。
……予感が当たったよ
……いるじゃね~か
……我が父が
僕はそっとその場を離れて
次の用事を済ますため車に乗り込んだ。
*
夕方5時過ぎ
僕は帰宅した。
と、
隆夫さんは、
まるで“一日中家に居ましたけどなにか?”という空気を醸しながら
リビングのソファに座りテレビを見ていた。
僕は声をかけた。
「ただいま」
「おかえり~」
「……(こいつ、パチンコ行ってたこと黙ってるつもりだな?)」
「今日は美容院に行ってたんか?」
「うん(何気ない会話を装いやがって)」
「さっぱりしたなぁ」
「うん(わかるのかよ?)」
僕はキッチンへ行って炊飯器の中を見た。
……おや?
ちゃんと米が炊いてあるじゃね~か
推理するとこうなる。
1 朝、僕が出かけた直後に起床し、米を炊いて家を出た
2 夕方、いつもより早めに帰宅し慌てて炊いた
どちらにせよ、唯一の仕事はこなしているわけだから
「外出はしていない」は成立する。
ところがーー
キッチンに見慣れぬお菓子が置いてあった。
僕は何も訊いてないのに隆夫さんの方から言ってきた。
「このお菓子なぁ、今日、小林さん(パチンコ仲間)が家の近所に来たらしくてなぁ、これを届けてくれただ(笑)」
……あぁ
自分からゲロっちまったなぁ、親父さんよ
「策士策に溺れる」って言葉知ってるか?
まぁ、あんたはそんなに策士でもないけどなぁ
パチンコ屋で会ってもらったんだよな?
いいよ、いいよ
そんな嘘つかなくても
言い忘れたけど
写真撮ったんだよね
(動かぬ証拠)
逮捕である。
*
アリバイ工作というのは
緻密にやらないとすぐに穴が開くようです。
では、また。
追伸 その1
キャラメルボックスに新たなメンバーが加わりました。
どうぞ可愛がってやってください。
それ以前にーー
僕は昨年の新人さん2人とも会えてないんですよね。。。
新人さんたちに顔と名前を覚えてもらえるようにがんばります。
追伸 その2
新人さんと呼べないメンバーでやります!