ども、ようやく『THE FIRST SLUM DUNK』を観た岡田達也です。
我が家の殿様……
じゃなくて
私の父・隆夫さん(87)は
2021年8月のある日
腹が痛いと騒ぎ出し
救急車で搬送され
腸閉塞で緊急手術を行った。
残念ながら……
じゃなかった
めでたいことに
手術は無事に成功し
今は腸閉塞など無かったかのように
ご飯を食べ、甘いものをつまみ、酒を飲んでいる。
ただ一つ
腸閉塞を経験して変化したことがある。
退院してから毎日必ずヨーグルトを食べるようになった。
最初は
“ヨーグルトは胃腸に良いらしい”という
うっすらした知識からスタートした毎日のヨーグルト食だが
元々「ジュルジュルした食感」が大好きな人なので
(裏を返せば「歯が悪い」というだけの話だが)
すっかりクセになり
今は朝夕問わずヨーグルトを食べている。
そんな隆夫さんがお気に入りなのが
日本ルナの『バニラヨーグルト』。
「いろんなヨーグルトを食べたけど、これが一番合うなぁ~」
と言っているので好みなんだろう。
僕は興味も無いので食べたことはないが
殿様がそう言うので
冷蔵庫に欠かさないようにストックをチェックし、少なくなったら補充している。
ある日
いつものバニラヨーグルトの売り場に行くと
その隣に見慣れない商品が置いてあった。
『バニラヨーグルト 福岡あまおう苺』
……これは
……どうなんだろう?
隆夫さん、いちごが大好きだし、ひょっとしてこれも喜ぶんじゃないか?
でもなぁ
ストライクゾーンがとても狭い人だし
そもそも気に入ったものだけ食べさせておけば何も問題ない話だし
無理にチャレンジする必要は無いんだけど……
でも、
やっぱり、
台所を預かる者としては気になる。
一度、試してみよう。
もしも「おいしい」と言えば
普通のヤツとイチゴ味とでバリエーションが増えるし
新発見じゃないか
僕は思い切って買って帰った。
*
「これねーー」
「なんだ?」
「いつも食べているバニラヨーグルトのイチゴ味が売ってたから買ってみた」
「へぇ」
「食べたら感想を聞かせて」
隆夫さんは渋い顔になった。
「……感想ねぇ」
「そう」
「う~ん」
「なに?」
「難しいことはよう言わんで」
……あのですね
いいんですよ
別にむずかしいこと言わなくても
誰が貴方みたいな味覚音痴に対して
「これはイチゴの酸味とフルーツの香りがプラスされて、いつものバニラだけの物より複雑な味に仕上がってるなぁ。あとは果肉の食感がもう少しプラスされていれば完璧だ」
みたいな感想を求めると思ってるんだよ???
要らないんですよ
そんな似非評論家みたいな言葉は
主夫(主婦)にとって大事なのは
「美味しいのか?」
「不味いのか?」
「ネクストはあり」なのか?
「二度となし」なのか?
知りたいのはそれだけなんですよ
「あのさーー」
「なんだ?」
「難しいことは言わなくていいのよ」
「あぁ」
「また食べたいか、そうでないかだけ知りたいんだけど」
「あぁ、それなら言えるで(笑)」
「……」
「なら早速今夜いただいてみるけなぁ」
隆夫さんは不敵な笑みを浮かべた。
*
「これはーー」
「……」
「おいしいなぁ!」
「そう?」
「これからは、これにしよう!」
……いやいや
そうじゃね~んですよ
そういうことじゃね~んですよ
「これからはこれにしよう」とか言わなくていいんです
何を買うかを決めるのはあくまでも私です
って言いたかったけどグッとこらえて
「じゃ、これもありってことね?」
と尋ねてみた。
「うん。苺の味がしておいしいわ!」
というしごく真っ当な感想が返ってきた。
こうして
我が家にニューフェイスが加わった。
*
ヨーグルト好きなみなさん
隆夫さんフリークのみなさん
よろしければお試しあれ
僕は食べませんが。
では、また。
追伸
やります!