ども、新たな出会いを求める岡田達也です。
我が家の玄関は今どき珍しいアルミサッシの引き戸造り。
42年前に建てられた古い家なので仕方ないのだが
当然、鍵も小さめなやつ。
いつ何時、泥棒に入られても仕方がないほどセキュリティは甘いと言える。
かと言って、玄関をリフォームするのも面倒なのでそのままにしているが。
我が家のクソ親父ーー
じゃなくて
我が家の殿様ーー
じゃなくて
私の父・隆夫さん(87)は
何度も何度も玄関の鍵を失くしている常習犯だ。
まるで「どうぞどうぞ、泥棒に入ってください」と言わんばかりに鍵を紛失しやがる。
おそらく鳥取市内には我が家の鍵が4個は落ちているはずだ。
嘘だと思うなら探してみてほしい。
きっと見つかるはず。
以前、業を煮やした僕は
隆夫さんの家の鍵に、鈴付きのキーホルダーを付けた。
本人の承諾もなく。
それを見ていた隆夫さんは
「……猫みたいだな」
と、不服そうな表情で言っていたが
それでも大人しく鈴付きの鍵を使っていた。
だけど
鍵は失くさなくなったものの
年齢がかさむとセカンドバッグの中から鍵を取りだすという行為が大変らしく
バッグの中に手を突っ込んで鍵を探すのに一苦労している姿を見て
僕は一計を案じた。
「100均でコイルストラップ(ビヨ~ンって伸びるヤツ)を買って付ければいいんじゃないのか?」
*
ダイソーでコイルストラップを買ってきた。
「おとうさん、、ちょっと鍵とカバンを貸して」
「何をするだ?」
「いいから」
僕は黙ってコイルストラップに鍵を付け
それを愛用のバッグのファスナーに取り付けた。
「なんだこれ?」
「こうすれば、バッグの中をゴソゴソしなくても、すぐに鍵が見つかるから」
「ええわよ~」
「……」
「そんなことせんでも!」
「……」
「鍵くらいすぐに見つけられるわよ~!」
「……」
「鈴が付いとるし!」
「……」
「老人みたいだが!」
「……」
経験上、こういうときに押し問答するのは時間の無駄だとわかっている。
僕は黙ってそのままにしておいた。
*
数日後。
隆夫さんが口を開いた。
「これはーー」
「?」
「便利がええなぁ!」
「何が?」
「この、鍵が付いとるやつ!」
「……」
「バッグの中探さんでも、端っこ持って手繰れば鍵が出てくるけなぁ!」
「……」
「いちいち探さんでええで!(笑)」
「……」
「鍵がなぁ!」
「……」
「すぐに出てくるで!」
「……」
「使ってみんさいな!」
*
あのですね
私が
その便利さを知らないで
貴方に勧めているとでもお思いですか?
それ、おかしいでしょ?
さておき
自分も新しい情報やガジェットを面倒に思う年頃になってきたから
シャットダウンしたくなる気持ちはちょっぴり理解できる。
きっと世の中には
まだまだ知らない便利な商品があるんだろう。
次は隆夫さんに何を取り付けようか?
絶賛思案中である。
では、また。
追伸
2月11日です!
よろしければ遊びにいらしてください!