ども、ジャーマンスープレックスを決め技にしたい岡田達也です。

 

 

 

 

 

僕が小学生のころ

 

プロレスは全盛期を迎えていて

 

ジャイアント馬場率いる『全日本プロレス』と

 

アントニオ猪木率いる『新日本プロレス』がしのぎを削り

 

両者ともTVのゴールデンタイムで放送されていた。

 

(もう一団体、ラッシャー木村の『国際プロレス』もあったけどTV放映はなし)

 

 

プロレスが好きならどちらも応援すればいい話なんだけど

 

どういうわけか子供たちは

 

「全日派」と「新日派」で完全に割れていた。

 

 

僕はクラスで数少ない「全日派」だった。

 

なにより

 

今でもプロレスラー最強だと信じるジャンボ鶴田が大好きだったこともあるけど

 

全日のほうが圧倒的に“エンタメ”だったからというのが大きな理由。

 

 

新日は全日に比べ格闘色が強く

 

「抗争」「戦争」「勝負」といった構図を作り

 

それを前面に押し出していて

 

(それにはいろいろ理由があったんだけど割愛します)

 

平和主義な僕には合わなかった。

 

 

だけど、クラスには圧倒的に猪木信者が多かった。

 

「馬場と猪木が闘ったら絶対に猪木が勝つ!」

 

と、みんなに言われ続け悔しい思いをしたものだ。

 

 

とはいえ

 

鳥取なんて田舎に住んでいる身だから

 

生のプロレスなんてそうそう観られることもない。

 

全日も、新日も、鳥取に来るときは欠かさず観に行った。

 

父・隆夫さん(87)もプロレスは嫌いじゃなかったので

 

僕が「行きたい!」と言うと

 

「よし、行くか!」と二つ返事で連れて行ってくれた。

 

 

生で見るアントニオ猪木は

 

何というか別格だった。

 

圧倒的だった。

 

小学生がそう感じるんだからよほどの存在感だったんだと思う。

 

 

「この人、やっぱりスターなんだな……」

 

 

僕は心酔しなかったけど

 

クラスメイトの多くが信者になるのもわかる気がした。


 

 

 

 

 

つづく