ども、町内会の福祉委員を務める岡田達也です。

 

 

 

 

 

福祉委員の仕事の一つに「記念品の配布」というのがある。

 

町内に住んでいる後期高齢者の方々に

 

鳥取市、町内会、それぞれから

 

毎年、記念品が贈呈されるので、それを各ご家庭に配って回る仕事。

 

今年は明後日の10日が配布日。

 

僕は朝からその仕事をしなければならない。

 

 

この、町内からの記念品を決めるのが一苦労だった。

 

 

「何をもらって嬉しいのか?」

 

それは人それぞれでしかない。

 

“プレゼントの正解なんて永遠に答えは出ない”だろうし。

 

 

町内会で話し合いがもたれたときーー

 

会長さんが口を開いた。

 

「ここ数年、町内会からはお花が続いていたのですが、今年はどうしましょう?」

 

「お花が好きな方はたくさんいらっしゃるので、今年もお花でいいんじゃないですか?」

 

 

そうねぇ

 

お花が好きな人って多いだろうし

 

 

「それもわかるのですが、お花に興味がない方もいらっしゃると思いますよ」

 

 

それもそうだよな

 

僕自身がそうだもんね

 

我が父・隆夫さんだってお花をもらっても興味ない人だしなぁ

 

それに、ここ2年はシャコバサボテンが続いたから

 

我が家の庭にサボテンが増えていく一方で

 

このまま隆夫さんが長生きしたらサボテンだらけになるってことだよなぁ

 

それはどうなんだろう?
 

 

今年、初めて参加した僕はここで質問してみた。

 

「あの~、サボテンじゃないときは何を配っていたんですか?」

 

「商品券です」

 

 

あぁ、なるほど

 

それは手軽でいいじゃないか

 

僕は気軽に言った。

 

「商品券、いいですね。それじゃダメなんでしょうか?」

 

 

食い気味の返事が返ってきた。

 

「お花がいいと思います! お花を喜ばれる方が大勢いらっしゃいます!」

 

「ですから、お花に興味ない方もいるんじゃないですか!」

 

 

……しまった

 

……自分の余計な一言で議論が白熱してしまったぞ

 

 

でもね、これ、絶対に、正解は出ませんよ

 

ここは民主主義に則って多数決しかないかな

 

 

と、会長さんが言った。

 

「今年は岡田さんに決めてもらいましょう」

 

 

えぇっ!

 

そ、そんな重要なこと!!

 

わ、私ごときが決めて良いんですか???

 

 

「基本的には福祉委員の方に決定権がありますので」

 

「じゃ、いろんなご意見があるとは思いますが、配布しやすさで商品券にさせてください。お花がお好きな方は、お手数ですが、その商品券で好みのお花を購入していただくということで」

 

 

賛成の拍手が多数上がったので無事に切り抜けることができたが

 

反対意見が多数だったらどうなっていたことか。

 

 

帰宅して、隆夫さんにそのことを報告するとーー

 

「商品券か。おとうさんは要らないから、食費の足しにして」

 

 

うん

 

そうね

 

こういう使い方だって有りだもんな

 

 

 *

 

 

我が町内のお花好きのみなさん

 

すみません、若造が勝手に決めてしまいました

 

また来年、話し合いましょう

 

 

去年、一昨年、いただいたサボテン。

 

 

 

 

 

では、また。