ども、懺悔する岡田達也です。

 

 

 

 

 

「人類が生んだ最高傑作」と呼ばれていた時代もあった私だが

 

ひょっとすると少しずつ錆びついてきているのかもしれない。

 

 

 *

 

 

昨日

 

新宿でお茶を飲みながら台本を読んでいた。

 

ここから稽古場まで約1時間。

 

“稽古場も劇場も、早めに入って早めに出る”を信条としているので

 

基本的には1時間前到着を心掛けている。

 

 

「ってことは、13時ごろに着けばいいから、そろそろ移動しよう」

 

そう思った。

 

思ってしまった。

 

 

お店を出て、電車に乗り、

 

稽古場の最寄りの駅に到着し、駅前のコンビニに入った。

 

「今日は通し稽古だし、たくさん食べたくはないけど、糖分補給のためチョコレートでも買っておこうかな」

 

そんなことを考えていたときだった。

 

 

スマホが鳴った。

 

見知らぬ番号だった。

 

一瞬、出ないでおこうかとも思ったけど、何か感じるものがあった。

 

この電話、何か大事な知らせのような気がする……

 

出た方がいいかも……

 

 

人間の感性というのは、妙なところで働く。

 

 

「もしもし」

 

「あ、岡田さんですか?」

 

「はい」

 

「制作のSです」

 

「……」

 

この、たった2往復で、僕はすべてを悟った。

 

 

あっ! 

 

やっちまったっ!!

 

俺、時間、間違えたんじゃね???

 

 

もう一度書く。

 

人間の感性というのは、妙なところで働く。

 

 

「稽古開始5分前なので、念のため電話してみました。今、どのあたりにいらっしゃいますか?」

 

いつも早めに姿を見せる男がいないことを不審に思ったSさんが、わざわざ電話をくれたのだ。

 

いつだって到着がギリギリの人だったら5分前に連絡が入ることは無いだろう。


 

「あっ! すみません! もう近くにはいますので! 急ぎます!」

 

「慌てないで大丈夫ですよ。お待ちしています」

 

 

コンビニから稽古場まで、久しぶりに全力ダッシュした。

 

非公式ではあるが、ウサイン・ボルト並みのスピードが出ていたはずだ。

 

 

息を切らせて稽古場に到着した。

 

ジャスト13時。

 

ちょうど稽古が始まろうとしていたときだった。

 

 

 *

 

 

昨日の稽古開始時間は13時。

 

一昨日の稽古開始時間は14時。

 

一昨日がイレギュラーだっただけで、基本的には13時スタートになっている。

 

 

それなのに、

 

僕の頭の中で、

 

勝手に「13時到着でいい」という思い込みをしていたのだ。

 

 

いったい何をどう勘違いしたのか自分でも不思議だが

 

これが「錆び」なのかもしれない。

 

 

唯一の救いは、早めの到着を心掛けていたおかげで、遅刻しないで済んだことだけど、

 

すぐに始まったダンスの復習で

 

僕はダンスとは関係なく

 

体中にいろんな汗をかいていた。

 

 

 

関係者のみなさま

 

余計な心配させてすみませんでした。
 

 

 *

 

 

時間を勘違いするなんて

 

そろそろ「人類が生んだ最高傑作」という看板を下ろすときが来ているのかもしれない。

 

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

 

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