ドン・キホーテの罠

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ども、苦みが強いコーヒーが好きな岡田達也です。

 

 

 

 

 

毎朝、コーヒーを飲む。

 

 

“挽きたての豆で淹れる”というのが美味しいことは重々承知しているけど

 

めんどくさがりの僕は、粉を買ってドリップメーカーで作る。

 

それでも十分に美味しいから良しとして……

 

 

コーヒー豆にもピンからキリまであって

 

そりゃ、お金を出せばいくらでも美味しい豆が手に入るけど

 

毎日のコーヒーにそこまで贅沢するつもりいはない。

 

 

そんな僕の、今一番のお気に入りは

 

驚安の殿堂『ドン・キホーテ』で売られている、『三本珈琲』さんの豆。

 

(人様の写真を拝借しました)

 

500gで、598円。

 

これが、ウマい。

 

コーヒーがお好きな方には是非とも試していただきたい。

 

 

 *

 

 

豆を買いにドン・キホーテに出かけた。

 

 

ドン・キホーテの店内は

 

「余計なものまで買わせてやろう」という意図に溢れていて

 

商品の陳列の仕方がえげつない。

 

よほど強靭な意志を持たない限り、目的の品までなかなか辿り着かない。

 

あっちを見て、こっちを見て、要らないものまで手に取って、

 

気が付けばカゴに入れてしまう、の繰り返し。

 

実にけしからん作りになっている。

 

 

 *

 

 

美容・健康器具のコーナーに「マッサージガン」が置いてあった。

 

今、一番欲しい物と言っていい。

 

 

「お試しください」のポップの前で

 

僕は足を止め、マッサージガンを手に取り、腰に当てた。

 

ドッドッドッドッという振動が、脊柱起立筋を刺激する。

 

「おっふぅ」

 

思わず声が出る。

 

ドン・キホーテの店内で、なまめかしい声を出す54歳。

 

傍から見れば気持ち悪いことこの上ないだろう。

 

それでも僕の身体は、その快感から逃れることができずに、

 

「おっふぅ」

 

「おおっ」

 

「あ~っ」

 

などと声を上げながら、

 

腰、お尻、肩など、ありとあらゆる部位にマッサージガンを当てて、コリをほぐした。

 

 

トータルで何分やっただろう?

 

「そこまでやるなら買えよ!」とツッコみを入れる自分と

 

「またここにくれば無料だしな」というケチな自分とが

 

しばらく脳内で会話していたが

 

ともかくスッキリした僕は、軽い足取りで店を出て車に乗り込んだ。

 

 

 *

 

 

帰宅して、何かが引っ掛かった。

 

 

「あれ? 何か大事なことを忘れていないか?」

 

「はて? なんだろう?」

 

「はて?」

 

 

……

 

……

 

 

あっ

 

コーヒー豆

 

買うの忘れた……

 

 

断じて言わせてもらうが

 

これは僕の記憶力の低下のせいではない。

 

ドン・キホーテの罠なのだ。

 

そうだ

 

そうに決まっている。

 

 

今日は心を鬼にして、コーヒー豆を買いに行こうと思う。

 

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

追伸

 

もしも「ドン・キホーテの罠」だと言いたいなら

 

マッサージガンを購入してからな、自分。