ども、節約に励む岡田達也です。

 

 

 

 

 

我が家の光熱費は

 

父・隆夫さん(86)の口座から引き落とされている。

 

 

……いやいや

 

……まってくれ

 

「おらっおらっ! おめぇの口座から光熱費を引き落とすんだよっ、クソじじぃ! 世の中の役に立てないなら、せめて俺の役に立てっ!!!」

 

などと取り立てているわけじゃない。

 

 

僕は約30年間、実家を離れていたのだ。

 

そりゃ、世帯主の隆夫さんの口座から引き落としされるのが普通だろう。

 

(……信じてくれよ)

 

 

 *

 

 

12月の電気代の請求が来たらしい。

 

 

「電気代がなぁーー」

 

「ん?」

 

「ごっつい高いだが!」

 

(※ 「ごっつい」は鳥取弁で「すごく」の意)

 

「ふ~ん」

 

「先月の約1,5倍だで!」

 

「ありゃりゃ」

 

「これはなーー」

 

「ん?」

 

「お父さんが、毎日エアコンを使っとるけぇかな?」

 

 

 *

 

 

ここのところ、隆夫さんはパチンコを自粛している。

 

 

それは

 

コロナの影響なのか

 

軍資金が底をついたのか

 

それとも“ようやく自分が歩んできた道が過ちだった”と悟ったのか

 

理由はよくわからないが、とにかく在宅時間が増えた。

 

 

家にいるのはかまわない。

 

あなたの家だ。

 

(正確には、あなたは4分の1、母・秀子さんが4分の3、費用を出して建てた家だけどな)

 

 

問題はーー

 

在宅時間が長くなったおかげで

 

光熱費がグッと上がってしまったことだ。

 

 

普通の人なら、在宅するだけで光熱費が跳ね上がるなんてことはないのかもしれないけど

 

いかんせん、隆夫さんには「四季」など存在しない。

 

 

あるのは

 

「暑い、暑い、今日は暑いなぁ」という

 

クーラー、扇風機が大活躍する季節と

 

「寒い、寒い、今日は寒いなぁ」という

 

エアコン、石油ストーブが大活躍する季節

 

その2つしかない。

 

 

当然

 

在宅の影響は、思いっきり、家計を直撃することとなる。

 

 

 *

 

 

翌朝

 

僕は

 

隆夫さんが起床してくる前に

 

あるメモをテーブルに残して家を出た。

 

 

 

 

 

つづく