ども、米をガマンしている岡田達也です。
父・隆夫さん(86)は白米が大好きだ。
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よく、雑誌やテレビなどで「白米に一番合うおかず」なんて特集が組まれているのを見て
確かにどれもこれも「おいしそう!」「食べてみたい!」とは思うのだけど
やはり「どれか一つ」と言われれば
焼き肉(あるいは焼き肉のたれ)が総合優勝するのではないかと信じている。
(あくまでも僕個人の意見です)
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近所のイオンで、30%オフの、実に美味しそうな、見事なさしが入った牛肉に出会った。
30%オフとはいえ、そこそこ立派な値段がする。
3秒、悩んだ。
結果、購入した。
好き嫌いの激しい父・隆夫さん(86)に提供するメニューの中で
焼き肉は、間違いない、鉄板な存在なのだ。
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割り引きシールを見せないように、僕は立派なお肉だけ見せた。
「おおっ! ええ肉だなぁ!」
「毎日は無理だけど。たまには、ね」
「毎日はいらんわい! いくら生活費があっても足りんがな!」
「何切れ食べられそう?」
「4切れで十分だなぁ!」
「了解いたしました」
僕は、父のことを、熟知している。
6切れ、焼いて提供してみた。
「グフェフェフェフェ! 口の中で溶けるってほどではないけど、えぇ肉だなぁ!」
「……」
「口の中で溶けるってほどではないけどなぁ!」
「……」
「溶けるってほどではないけど、柔らかいで!」
「……(溶けないとダメなのかよ?)」
とーー
「米が進むなぁ!」
「よかったね(そう思って買ったんだよ)」
「お代わりもらおうかな!」
「どうぞ、どうぞ、好きなだけ」
「入れてくるけなぁ!」
隆夫さんは台所へ向かった。
我が家では、お代わりは、自分で食べたい分だけよそうルールだ。
「あのなぁ!」
「ん?」
「ジャーが空になったけどええかえ?」
「ええっ!!!」
「あ、達ちゃんも食べたかったか?」
「い、いや、そうじゃないけど……」
米は、1合、炊いた。
1合って、炊きあがりで約350gある。
レンジでチンするご飯が、だいたい180~200gで売られていることを考えると
普通のお茶碗に2杯分弱という計算になる。
いやーー
見方を変えれば
どでかい丼に1杯ぶんある。
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「肉がやわらかいけなぁ!」
「……」
「米が進むなぁ!」
「……」
「口の中で溶けるってほどではないけどなぁ!」
「……」
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いくら焼き肉と白米が鉄板とは言え
86歳で1合食べる男。
僕がその年齢になってそれだけ食べられるのだろうか?
我が父ながら恐ろしい男だ。
では、また。