ども、新聞に取り上げてもらったことは何度かある岡田達也です。
「ファン心理」とは複雑なものらしい。
誰かに魅力を感じて応援するのは素晴らしいことだと思うし
僕にも贔屓の俳優、選手、チームなんかがあって、
その人たちを応援しているときはとても楽しい。
それに、
僕だって、応援されないよりは応援される方が嬉しい。
「応援」
それは、誰かの背中を押せる、素晴らしい力だ。
ただし、
節度は大事だ、
……と思う。
* *
僕には多鶴子さん(81)という叔母がいる。
父・隆夫さん(86)の妹なのだが、いつだって炸裂している人である。
彼女が熱心に応援している大谷翔平選手がメジャーでMVPを獲得した次の日
多鶴子さんから電話がかかってきた。
「ハロー、ハロー」
「……あんたはアメリカ人か?」
(中略。ここが電話の本題でした)
「わかった、わかった。じゃあ切るよ」
「たつやっ!」
「なに?」
「何じゃないわよ!」
「えっ?」
「あんた、私に何か言うことがあるんじゃないの?」
「……(小考中)」
「……」
「あっ! もしかして、大谷くんのこと?」
「そうよ!」
「あぁ、そうかそうか。MVP、良かったね! おめでとう!」
「ありがと、ありがと」
「やっぱり嬉しい?」
「嬉しいなんてもんじゃないわよ!」
「?」
「今朝ね、日本海新聞(鳥取の地方紙)が届いたんだけど、大きく記事になってたの!」
「あ、そう」
「並の大きさじゃないで! とんでもない大きさよ~!」
「まぁ、そうだろうね」
「あんたが一生頑張っても、あの扱いで新聞に載ることはないわ」
「……おい」
「それでなぁ」
「うん」
「私はその新聞を抱きしめて昼寝したわよっ!」
「……」
「新聞を開いて!」
「……」
「大谷くんの面を正面にして!」
「……」
「強く抱きしめて!」
「……」
「そうしたらな!」
「?」
「新聞がクシャクシャになって、他のページが読めんようになった!」
「……そうなるわな」
「私な、大谷くんに手紙を書くわ」
「えっ?」
「私みたいなお婆さんでも、あなたを生きがいにして生きているんです、こんな人は日本中にたくさんいます、これからもがんばってください、ちなみに私は独身です」
「……」
「どうしよう? 翔平くんの目に留まったら(笑)」
「……」
「言っとくけど、お金目当てじゃないで!」
* *
誰かを応援することは素晴らしい。
僕も誰かを応援していたいし、応援されていたい。
ただし、
節度を大事にしながら応援しようと思う。
では、また。
追伸
昨日、発表になりました。
阿部丈二くんが音頭を取ってのプロデュース公演です。
出演者はキャラメルボックスのメンバーばかり。
僕にとっても思い出深い演目です。
出演はしませんが、応援していきたいと思います。
多鶴子さんのように盲目的にならないで、ちゃんと節度を守って。