ども、餅は丸で育った岡田達也です。

 

 

 

 

 

おそらく日本海側に位置する都市だからだろう。

 

鳥取では暖房器具として灯油ストーブを利用している家が多い。

 

秋口になると、ホームセンターには灯油ストーブがずらっと陳列される。

 

お店で最も幅を利かせているのが灯油ストーブなのだ。

 

これは僕が子供のころから変わらない。

 

 

まぁ、エアコンだろうが、こたつだろうが、ガスヒーターだろうが、セラミックヒーターだろうが、ホットカーペットだろうが、ヒートテックを重ね着するだろうが、ネコを抱きしめるだろうが、熱燗をグビグビやるだろうが、

 

誰が何を利用して暖を取ろうとしていても、僕には関係ない。

 

それぞれのご家庭が、その家の事情で決めればいい。

 

 

だけど

 

我が家の暖房に関しては、そうはいかない。

 

経済面、費用対効果、清掃のしやすさ、

 

いろんな面を考慮して“私が”考えなければいけない。

 

 

ちなみに我が家では「エアコン」と「ホットカーペット」と「灯油ストーブ」を利用している。

 

 

 * 

 

 

10月の終わり

 

「やっぱり暖冬になってきてるんだなぁ。こんな時期まで扇風機を出しておくなんて、昔じゃ考えられなかったもんな」


僕はブツブツ言いながら扇風機を掃除していた。

 

 

我が家では、父・隆夫さん(86)が、夏の間、2台の扇風機をフル稼働させている。

 

どれくらいフルかと言うと

 

首振り機能も使わずに、ダイレクト強風を、一日のうち20時間くらい身体に浴びせ続けているのだ。

 

そんな人、隆夫さん以外に日本に存在しているのだろうか?

 

それほど酷使しているので、扇風機はかなり汚れていた。

 

僕は扇風機をバラし、掃除し、風通しの良い場所で乾燥させ、物置にしまう準備を整えた。

 

 

 *

 

 

我が家の物置の中では

 

扇風機と、灯油ストーブの置き場所は同じところになっている。

 

つまり、1年を通して“どちらか”が活躍しており

 

扇風機とストーブが、同時に物置にしまわれることは無い。

 

“まだ灯油ストーブの力が必要な気温ではないけど、このタイミングで出しておこう”

 

僕はそう考えて、扇風機にカバーをかけていた。

 

 

とーー

 

そこへ天敵……

 

じゃなかった

 

父がやってきた。

 

 

「おっ! 扇風機、しまうんか?」

 

「うん」

 

「お父さんもなぁ、片付けようと思っただけどなぁーー」

 

「……(じゃ、やってくれよ)」

 

「カバーが外せんかったけなぁーー」

 

「……(じゃ、外さないで拭けばいいじゃね~か)」

 

「やめといただが!」

 

「……(諦めるのだけは得意だな)」

 

「キレイになったなぁ!」

 

「……(「ありがとう」とかないのかよ?」

 

「今からしまうんか?」

 

「うん」

 

「ストーブ、出してくれてもええで」

 

「!!!!!」

 

 

 

 

 

つづく