ども、意志薄弱の岡田達也です。

 

 

 

 

 

ワークショップ2日目。

 

 

滞在しているホテルから稽古場までは徒歩で50分。

 

歩いて行くにはちょうど良い距離だし

オマケに昨日は快晴だったので、迷わず徒歩移動を選択。

 

仙台に来てから

牛タンを食べることもなく

ひたすらコンビニで酒を買ってる生活だけど

 

旅に対して強欲な僕は考えた。

 

「仙台に来たという爪痕を何かしら残さなければ」。

 

そこで

稽古場までの道順に活路を見出したーー

 

 

 

“楽天生命パーク宮城の前を通って稽古場に行く”という

 

野球に興味の無い方には

ホントにどうでもいい楽しみを作って歩いた。

 

 

知らない街を歩くってだけでも楽しいし

そこにこんな目的が加われば歩く足取りも軽くなる。

 

我ながら単純な男だと思う。

 

だけど

 

楽しみなんて一つでも多い方がいいし

 

そして、それは、どうやっても作れる

 

そんな風に考えてる。

 

 

 *

 

 

稽古が終わった帰り道。

 

遅い時間だったので、さすがに電車で帰ろうかと思ったけど

 

今、一緒に参加している文学座の俳優さんが

「歩いて帰りたい」と言うので、道案内することにした。

 

 

 

タイミングが悪かった。

 

いや、

良かったというべきか?

 

昨日、ここで行われていたのは

「楽天 対 ソフトバンク」

 

なんと愛するホークスが

僕が仙台で戦っているのと時を同じくして

仙台で試合をしていたのだ。

 

オマケに通りかかったとき

まだ試合中で

8回の裏という終盤だった。

 

……

 

……

 

 

「まさか今から観に行くつもりじゃないでしょうね?」

 

「うん、いや、まぁ、さすがに、ね」

 

「写真だけにしておきましょう」

 

「もちろんだよ! 仙台に遊びに来たんじゃないんだから!」

 

「……ホントですか?」

 

「そりゃそうだよ! ここには芝居しに来たんだよ!」

 

 

正直に言う。

 

気持ちは揺れた。

大いに揺れた。

 

8回裏からチケットを買って入るなんて大馬鹿者であるのは重々承知だが

 

「せっかくだから」という旅のマジックに

自分から飛び込んでしまうところだった。

 

1人で歩いていたらどうなっていたかわからない。

 

 

 *

 

 

旅には誘惑が多い。

 

そして、その誘惑に負ける自信はいつだってある。

 

コロナ渦でなければ

 

僕はこの街で間違いなく散財し

 

そして3キロは太って帰ることになっていただろう。

 

 

……ホントに芝居しに来たのか?

 

 

 

 

 

では、また。