ども、怪獣たちに弄ばれる岡田達也です。

 

 

 

 

 

「……もう、読み飽きたよ」

 

という方は遠慮なく引き返してほしい。

 

初めて聞くという方は

 

「……いったいどういう兄妹なんだ?」

 

と大いに疑問を抱いてほしい。

 

 

 * *

 

 

父・隆夫さん(86)の上には

 

長女の吉恵さん(90)が

 

下には三女の多鶴子さん(81)がいる。

 

 

吉恵さんは鳥取県の倉吉市というところで独り暮らしをしている。

 

その吉恵さんが先日体調を崩したらしい。

 

身の回りのことは自分でできるが、さすがに90歳だ。

 

そりゃ、体のどこかにガタが来てもおかしくない年齢だろう。

 

念のため、8月から妹の多鶴子さんが同居することになった。

 

 

実はーー

 

多鶴子さんは昨年も吉恵さんと同居していたのだが

 

吉恵さんの奔放な振る舞いに付いていけなくなったらしく

 

「達也、私はこのままお姉ちゃんと暮らしていると精神が病むから、一度、自分の家に帰るわ。車で迎えに来て! これは家出よ、家出!」

 

と連絡があり

 

結果、姉妹の同居は9ヶ月で幕を閉じた。

 

 

そんなことがあったけど

 

そこはさすがに姉妹だ。

 

体調を崩した姉のため再び同居するという。

 

 

 *

 

 

多鶴子さんから電話があった。

 

 

「達也、そういうことだから8月からよろしくね」

 

「うん」

 

「私がギブアップしそうなときは、あんたが私を支えるのよ」

 

「……」

 

「返事は?」

 

「はいはい」

 

「「はい」は1回でいい」

 

「あのさーー」

 

「なに?」

 

「俺にはあなたを支えるほどの力は無いと思うんだけど」

 

「ダメよ!」

 

「?」

 

「あんたは岡田家の跡継ぎなんだから!」

 

「それは、まぁ」

 

「岡田家はあんたの肩にかかってるのよ!」

 

「……ちょっと重いな」

 

「しっかりしなさい!」

 

「へいへい」

 

「「へい」は1回でいい」

 

「(笑)」

 

「ところでーー」

 

「?」

 

「お兄ちゃんは元気?」

 

「うん」

 

「そうか、まだ生きてるか?」

 

「おいおい、言い方」

 

「例の物(薬)、まだ完成してないのよ」

 

「ずいぶんかかるね?」

 

「コロナのおかげで流通がストップしててね。手に入らない原料が多いのよ」

 

「(笑)」

 

「オマケに、オリンピックが始まるでしょう?」

 

「だから?」

 

「東京は交通規制だらけになるし!」

 

「関係あるんだ?」

 

「当たり前よ!」

 

「(笑)」

 

「完成はしばらく先になるから」

 

「わかった(笑)」

 

「完成したら少しずつ食事に混ぜてね」

 

「わかったって(笑)」

 

「仕方ないからもう少し生かしておこう」

 

「その言い方! 俺の親だぞ?」

 

「私のお兄ちゃんよ」

 

「(笑)」

 

「付き合いは私の方が長いわ」

 

「(爆笑)」

 

 

 * *

 

 

隆夫さんがゴジラだとするなら

 

吉恵さんはモスラ

 

多鶴子さんはキングギドラである。

 

 

オリンピックも大変だろうが

 

岡田家の夏も大変な予感がしている。

 

 

また何か動きがあればご報告させていただきます。

 

 

 

 

 

では、また。