ども、子供のころなりたい職業がたくさんあった岡田達也です。
“演劇をやっていて、お金持ち”という人はごく稀だと思う。
映像の方でも大活躍してるか
実家がよほど裕福か
宝くじで1等を当てたとか
そんな
何かしらの理由が無いかぎりは
贅沢厳禁な生活を送ってる人がほとんどだろう。
で。
「舞台俳優の収入に対する世間のイメージ」というのも
そんなにズレてはいないと思っている。
少なくとも僕の同級生はそうだった。
僕が芝居を始めてからというもの
鳥取に帰ったとき
同級生たちと一緒に飲みに行くと
「今日はいいから!」
と、ご馳走してくれることが多かった。
言うても3,000円ほどの金額だ。
いくらなんでもそれくらいは払えるから割り勘で良い。
だけどーー
「達也はいつかビッグになるために、夢を追いかけて舞台に立っている。お金が無いのも当然だ。好きなことを仕事に選んだわけだから、そういう人生も仕方ない。ここはしっかりと働いて稼いでいる俺たちが好きなだけ飲ませてやろう」
という空気感がハンパなく流れていて
それをいちいち否定するのも面倒だったので
結局、ご馳走になることが多かった。
悲しいかな、事実とはかけ離れた認識と言っていい。
「ビッグになるため夢を追いかけ舞台に立つ」
のと
「東京に行きたくて行きたくて、大学の先生の言葉を利用し、舞台なんか何の興味も無かったくせに「僕は芝居をやるために東京に行きます!」と宣言し、絶対に役者なんかなれないだろうから、東京の生活をある程度満喫したら、鳥取に帰ってサラリーマンになろうと考えていたのに、縁あって本当にこの世界に入ってしまい、やめるにやめられない状態になった」
のでは雲泥の差だ。
実際、僕は演劇を始めてからも
「ビッグになりたい」なんて大それた欲はなく
それよりも「バイトしないで芝居だけで食っていけるようになったらすごいな」ということを考えていた。
そして、ありがたいことに
ずいぶん若い頃からそういう状況になったので
「自分はなんて恵まれているのだろう。もう、十分夢は叶った」
という状態だったのだが
周囲がそれでは満足してくれなくて
必ず
「いつか(テレビで)売れる日を楽しみにしてる!」
という期待を放り投げられてきた。
(今でもそういう友人はいる)
この認識の差を埋めるのはものすごく大変なので
ある程度聞き流すようになってしまったけど……
「なんで今でも芝居を続けているのか?」
と問われたら
とても1日のブログでは書ききれない。
いや、ひと月かけても書けるかどうかあやしい。
ただ
今の僕はまぎれもなく俳優だし
それで稼いでいるし
つまりは生業としているのは事実だ。
* * *
昨日
『hedge 1-2-3』の3
『trusut』の初日が開いた。
稽古中からぼんやり思っていたのだけどーー
この芝居は経済の話であることは間違いないし
それが大きな柱であることは確かなんだけど
それと同時に
「今の仕事を選んだ理由というのは人それぞれ」で
やりたいことをやれてる人もいれば
稼ぐためにガマンして嫌いな仕事をしている人もいるだろうし
もう、そこは、すべての人にドラマがあって
どれが正解なんて言えないんだけど
どんな判断でその仕事を選ぼうが
とにかく後悔しないで働けたほうが良いし
増してや
誇りをもって働けるなら、それは素晴らしいことだよなぁ
ーーなんてことを改めて思った。
そう、初日の本番中に。
相変らず集中力が足りない男のようだ。
ひょっとすると
私は
芝居だけではなく
どんな仕事にも向かないのかもしれない……
2作品、出そろいました。
今日からもハードな毎日を過ごします。
では、また。