ども、仕込み免除の岡田達也です。

 

 

 

 

 

昨日と今日

 

スタッフさんは劇場でガシガシと仕込んでくださっているが

 

役者は、舞台面とは別のスペースで稽古しているので

 

まだ実物のセットを見られていない。

 

 

自分が働かなくても舞台美術が建っているなんて

 

とてもありがたいことだし

 

そこに対しては感謝でしかないのだけど

 

半面

 

自分の劇団では搬入から仕込みまですべてに関わってきたので

 

(もちろん出演者全員です)

 

ちょっとだけ

 

体がムズムズしたり

 

淋しい思いもあったりもする。

 

 

僕は

 

何もない、ガランとした舞台面に

 

照明やら、音響機材やら、大道具やら、小道具やら、衣裳やら、制作物やらが運び込まれ


そこから各セクションでの作業が行われ

 

少しずつ少しずつセットが建っていく

 

その工程を見てるのが好きだったりする。

 

 

何て言えばいいんだろう?

 

「これからしばらくは、ここでやるんだなぁ」というような感覚が湧いてきて

 

それは確かに高揚感でもあるんだけど

 

それだけではなくて

 

余計な緊張感もくっついてくるし

 

そんなものがない交ぜになっている感情が

 

仕込みをしているとどんどん高まる。

 

 

それが

 

初日を迎える前の

 

「あぁ、舞台に立つんだ」

 

という覚悟を押し上げてくれるような気がして。

 

 

それともう一つ。

 

仕込みをしながら、セットに触っていると、

 

その空間に馴染むのが早い。

 

それがとても大切で

 

早いとこ劇場空間の特性を理解して

 

その劇場を味方につけた役者の方が圧倒的に強いのだ。

 

 

ちょっとだけ専門的な話をするとーー

 

例えば大道具のスタッフさんが

 

サンシャイン劇場の舞台上で

 

「おおぃ、バイトく~ん、そこのパネル持ってきてくれぇ!」

 

と舞台上で言ったとする。

 

同じことを

 

新神戸オリエンタル劇場(現・アイアシアター2.5コウベ)の舞台上で言うと

 

まったく響き方が違うのだ。

 

ビックリするくらい。

 

それを聞いてストックしておくと

 

「あぁ、ここは母音が残りやすい劇場なんだなぁ」とか

 

「ここは細かいことを気にしなくてもキレイに聞こえそうだ」とか

 

そんなジャッジができるようになる。

 

 

 *

 

 

『あうるすぽっと』

 

実は初めて舞台に立つ。

 

 

正直なことを言うと

 

客席で観ているときには

 

キャパに対しての劇場全体の空間がとても広く感じられて

 

「自分がここで演じる日が来たら苦労するかも……」

 

という心配をしていた。

 

残念だけど仕込みには参加していないので

 

明日からが勝負ということになる。

 

 

早く劇場と仲良くなれることを祈りながら

 

今日も別会場で稽古する。

 

 

 

それからーー

 

スタッフのみなさま

 

建て込み、ありがとうございます。

 

どこか人手が足りない部署があればいつでも呼んでください。

 

すぐに駆け付けますので。

 

 

 

 

 

では、また。