ども、生れて初めて振替輸送を経験した岡田達也です。

 

 

 

 

 

以前から何度も言っているがーー

 

東京にある渋谷という街が苦手だ。

 

 

人の多さが苦手な理由の一つであることは間違いないのだけど

 

それを言えば新宿だって池袋だって人でごった返しているのに

 

渋谷ほどイヤだとは思ったことはない。

 

何か、こう、

 

自分でも言葉にできない

 

生理的な部分で渋谷に対しての苦手意識が働いてるらしい。

 

 

現在の稽古場は

 

渋谷駅で乗り換えた先にあるので

 

絶対に経由しなければならない街だ。

 

まぁ、乗り換えの合間に

 

飲むわけでも、遊ぶわけでもない

 

ただ通過するだけなんだから

 

それくらいならガマンできると思っていたのだけど……

 

 

 *

 

 

昨日

 

芝居の稽古が終わった後も

 

僕は写真撮影や取材があったため居残りとなり

 

みんなより1時間半ほど遅れて稽古場を出て

 

電車に乗り渋谷に向かった。

 

 

渋谷に着いて乗り換えようとJR線に向かって歩いていると……

 

なにかが、おかしい

 

こう、雰囲気がざわざわしている。

 

いつだって人は多い街だけど

 

輪をかけて多い気がする。

 

密は避けたいが、これではどうしようもない。

 

 

なんとかJRの改札まで行ってみると

 

改札口が全面封鎖されているではないか!

 

えっ?

 

こんなの見たことないよ!

 

あれっ?

 

テレビカメラまで来てるぞ!

 

しかも1台じゃない!

 

間違いない!

 

JRで何かがあったんだ!

 

なんだろう?

 

 

そう思っているとーー

 

女性リポーターらしき人が近寄ってきて声をかけられた。

 

「すみません、ちょっと取材いいですか?」


「……」

 

 

まただ

 

なぜ、僕は、こういうとき、

 

必ず、声をかけられるんだろう???

 

 

向こうも仕事で大変だろうし

 

時間があるときなら答えてあげても良かったけど

 

僕は稽古で疲れていた。

 

 

一刻も早くガソリンを補給しなければ

 

帰宅する前にこと切れてしまうかもしれない。

 

明日の新聞の見出しが

 

「中年男性、ビールが間に合わず死亡」

 

ではシャレにならない。

 

(……大丈夫だ。仮にそうなっても新聞には載らないだろう)

 

 

オマケに

 

JRが封鎖されているということは

 

いつもならここから20分ちょっとで帰れるはずなのに

 

かなりの遠回りが予想される。

 

 

僕は

 

「すみません」

 

と言って小さく頭を下げ

 

足早にその場を立ち去った。

 

 

 

 

 *

 

 

昨日の一件でハッキリした。

 

やはり、僕は、渋谷との相性が悪いらしい。

 

 

でも、

 

大人だから、

 

今日も渋谷を経由して稽古に行く。

 

 

……あたりまえだ

 

 

 

 

 

では、また。