ども、メンタルが弱い岡田達也です。
緊急事態宣言を受けて
演劇の世界でもいろいろ動きがあるようでーー
僕の知り合いも
明日までは予定通り上演し
明後日からは公演中止
あるいは配信に切り替えとか
初日直前のところは全公演中止など
聞くだけで胸が痛むような、厳しい決断をしたところが多々ある。
* *
“演劇というもがどのように作られているのか?”
お客さんには想像しにくい部分もあると思うけど
これだけはハッキリと言える。
芝居を作るのは非常に効率が悪い作業だ、と。
そりゃそうだ
まずは2時間分のセリフを覚えるだけでもそこそこの時間がかかるし
(特に歳を取ってからは)
仮に早くセリフを覚えられたからと言ってそれで芝居が完成するかというとそうじゃなくて
そこから演出家の指示のもと作品を面白くしていくという
何が正解かわからないとても不確かな作業に時間を費やし
舞台スタッフ、製作スタッフさんたちはいつ終わるのかわからない果てしない作業に追われ続け
「おいおい、これ初日に間に合うのか?」みたいな会話が飛び交う中
関わった全員の土壇場の見えざる力によって
ギリギリ幕が上がる
ーーてなことが多い。
だから1日や2日で芝居を作ることは非常に難しく
どうしても4週間前後、時間を費やすことになる。
もちろん
ある程度システマチックな作りにしていくことも可能なんだろうけど
演劇って、多くの人が関わって、ぶつかって、ようやく作り上げられる世界なので
短縮できる限界点はあると思う。
だからこそ
「公演中止」なんて聞くと
例え直接は知らない劇団や俳優であっても
そこまでの労力がわかるからこそ胸が痛む。
* *
で。
もう一つ言えば
もしも
もしも、自分が原因で公演中止なんてことになったら
そりゃ、もう、
首をくくらないまでも
二度とお天道様の下を歩くことはできない気がしている。
顔を佐藤健くんに整形して違う人生を過ごすか
高跳びするか
(今はコロナだから無理か)
何か手立てを考えなければ
普通に暮らしてくことは難しいと思う。
実際、僕は何度かそのピンチに立たされた。
「えっ? えっ? ひょっとして俺のせいで公演中止になるのかっ!?」
30年近く芝居をやってれば仕方がないことかもしれないいけど
何年分か寿命を縮めたのは間違いない。
どれもこれも
今思い出しても冷や汗が出るものばかりだ。
*
今だから話せるけど
あの日の朝
僕の心臓は止まるかと思った。
それは
先日出演した『星の飛行士』の稽古中のことでーー
つづく