ども、本日はお休みの岡田達也です。

 

 

 

 

 

むか~しむかしそのむかし

(ここが大事です。大事なことなので念を押しておきます。昔話ですよ)

 

あるお芝居を

ある劇場に観に行ったときのこと

 

その演目は大人気だったので

客席は連日の超満員

 

僕が観劇した日もお客さんがいっぱいで

当時はどの劇場にも用意があった補助席も売り切れており

 

で、結局

通路に座布団を敷いて観劇

という経験がある。

 

狭いスペースの中

膝を抱えて

無理やり小さくなって

お尻も痛かったし

 

今で言うバリバリの3密状態での観劇だったけど

 

それでも「観に来て良かった!」と思えた。

 

 

それは1度や2度じゃない。

 

あの劇団の人気作

あの劇団の代表作

あの劇団の新作

 

そんな

チケットが手に入りにくい作品ならば

通路で観劇することも

いつだって覚悟の上だった。

 

逆に言うと

「密」であることが

「熱」を生み

 

その「熱」が重なることで

劇場全体の「高揚感」が

必要以上に高まるという連鎖が楽しかったりした。

 

 

(震災後は補助席、通路席などは存在しませんのでご安心ください)

 

 

 *

 

 

そして

自分も俳優になり

舞台に立つ側になった。

 

その頃

ありがたいことにキャラメルボックスは右肩上がりで動員が増えていたときだった。

 

僕は

いったい

何ステージ

 

舞台の上から

信じられないほど超満員の

それでいて濃密な客席を

見せてもらったことだろう

 

そんな奇跡的で幸福な経験を

いっぱいしている。

 

きっと

僕が死ぬその瞬間まで

反芻するたび

「すごい時間だった」

と思い返せる光景だ。

 

 

 * *

 

 

昨日、緊急事態宣言が出された中

お芝居は予定通り上演された。

 

客席は50%までという上限が設けられているけど

 

おそらく50%にも達しないほどのお客さんの数で

 

ってことは

当然、たくさんの空席があるんだけど

 

この状況下で

劇場に足を運んでくださる方たちが

こんなにたくさんいらっしゃるのかと思うと

 

まぁ不思議なもので

舞台上から見てて

満席に見えてくるのだ。

 

 

「今日はお客さんが少なめだな」と思っていた動員が

「こいつは満員と言っていいんじゃないか!」と思える不思議。

 

 

本当の満席状態も

昨日の満席状態も

僕は死ぬまで忘れないだろう。

 

どちらもとてもいい景色だ。

 

 

毎日、いい経験をさせてもらってる。

 

 

ご来場、ありがとうございます。

 

 

 * * *

 

 

もちろん劇場は感染症対策を施しておりますが

けっして無理しないでください。

 

みなさんの状況を踏まえて

「劇場で観劇する」

「配信を見る」

「今回はパスする」

などを決めていただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

では、また。