ども、まだおせちもお餅も食べていない岡田達也です。

 

 

 

 

 

正月だからと言って浮かれてはいない。

 

来たるべき初日に向けて、昨日もちゃんと台本を読んでいた。

(台本を読みながらビールも飲んでいたけどな)

 

 

 

 

何度も書いてるけど

このお芝居は

サンテグジュペリの代表作

『星の王子さま』『夜間飛行』

この2作品がモチーフとなっている。

 

 

 

 

あれは何歳の時だったろう?

 

母・秀子さんが

「これ、読んでみて」

と僕に勧めてくれた数少ないうちの一冊が『星の王子さま』だった。

 

 

秀子さんは僕と違って読書家で

純文学も、歴史小説も、歳時記も、エッセイも

気になった物は片っ端から読む活字中毒な人だったけど

 

そんな中から

なぜこの一冊を選んで息子に勧めたんだろう?

という疑問が今でも残っている。

 

 

『星の王子さま』を読んだことない方のために

すごく強引にまとめてしまうなら

「人は誰しも、子供のうちは持っていた素直さを失い、いつの間にか大人になってしまう」

「本当に大切なものは目では見えない」

というようなことが書かれている本だ。

 

 

ひょっとすると母は

「ダメだ。我が息子は素直さを失い始めている……」

とでも思ったのか?

 

それとも

「このバカ息子は目に見えるものしか大切にしていない」

と不安になったのだろうか?

 

 

その真意はわからないし

母がいない今となっては確かめようもない。

 

 

だから

今でもとても残念に思ってるのはーー

 

僕は『星の王子さま』を読んだのに

(おそらく高校生のときだったと思う)

 

その感想を、母に伝えなかったこと

 

それが本当に悔やまれる。

 

もしも僕が感想を伝えていたら

秀子さんの感想や思考も聞けたかもしれないし

 

何より

「なぜこの本を勧めてくれたのか?」

も話すことができただろうに。

 

 

 *

 

 

普通、台本を読むときは

脚本家が書く世界を理解しようとしたり

どう演じれば面白くなるかを考えたり

 

そんなことを模索しながら読むのだけど

 

今回は台本を読めば読むほど

「なぜ母はこの本を勧めてくれたのか?」

 

ーーという

 

芝居とは関係ないことに思いが行く。

 

 

 *

 

 

僕のように後悔したくないなら

 

人に勧められたものを体験したら

その感想はきちんと伝えておくべき

 

……かもしれない。

 

 

 

 

 

では、また。