ども、人差し指で押す派の岡田達也です。

 

 

 

 

 

エレベーターを待っていた。

 

僕の前には若いお兄さんが1人。

 

エレベーターが到着し、2人は中に乗り込んだ。

 

お兄さんがボタンの前に立ち

行き先階であろうと思われる「3」のボタンを押したのだけど……

 

指でボタンを押すのではなく

 

お兄さんは

右手で拳を作り

人差し指の

第二関節を使ってボタンを押した。

 


この形だと真正面からしか押せないから

 

結果

北斗神拳のケンシロウのような

見事な正拳突きの形となる。

 

 

以前、後輩の小多田直樹が言っていた。

「僕、第二関節でボタンを押しちゃうんですよね」

 

「うそうそ、そんな人見たことないよ」

 

「昔っからのクセなんですよ」

 

そんな会話をして

人っていうのはおかしなクセを持ってるもんだと思ったがーー

 

 

ここに、いた。

 

というか、初めて見た。

 

 

このお兄さんは

クセなのか

ひょっとするとコロナ対策なのか

理由はわからないけど

とにかくボタンに向かって正拳突きを食らわせていたのだ。

 

 

お兄さんは僕の方を振り返って訊いてくれた。

「何階ですか?」

 

「5階をお願いします」

 

お兄さんは再び5のボタンに正拳突きを入れた。

 

 

……やっぱり骨は痛いんじゃないのだろうか?

 

疑問に思った僕は

お兄さんが3階で下りたあと

右手で拳を作り

人差し指の第二関節で「閉」のボタンを押してみた。

 

普通に痛かった。

 

うん

間違いない

 

どうやら僕には向いてないようだ。

 

 

 * *

 

 

キャラメルボックスで

『不思議なクリスマスのつくりかた』を再演するときは

エレベータのボタンを第二関節で押す演技を試してみようと思う。

 

きっとお客さん、不思議に思うだろう。

 

「岡田達也、何やってるんだ?」って。

 

 

 

 

 

では、また。