ども、不可解なメモを読んでしまった岡田達也です。

 

 

 

 

 

「お供え」

 

例えば

お花だったり

線香だったり

お水だったり

お米だったり

 

あるいは

本人が好きなものだったり

 

故人を偲びながら何かしらを供え手を合わせる。

 

 

とても大切なことだと思う。

 

 

 *

 

 

昨日の夜

 

父・隆夫さんが

長財布から千円札を一枚抜き取り

僕に差し出しこう言った。

 

「明後日はお母さんの命日だけなぁ。これで何かお供え物買ってきてぇな」

 

うんうん

そうだね

 

秀子さんのためにお供え物を用意しよう

 

その気持ちは大切だよ

 

本当なら隆夫さんが自分自身で買ってくればいいのに

 

まぁ、その辺りを面倒くさがるのも父上らしいな

 

 

それにしても……

 

千円か……

 

ちょっと少ない気もするぞ

 

それともお得意の

「半分出すけな、半分は出してくれ」

という意味なんだろうか?

 

……

……

 

ま、いっか!

 

金額じゃないよ!

 

大事なのは気持ちだよ!

 

そうだよ!

 

だいたい秀子さんはお供え物が千円だろうが一万円だろうがそんなことを気にする人じゃないし!

 

いや!

 

逆に「やめて、やめて! お供え物に一万円なんて使わなくていいから」って言う人だよ!

 

そうそう!

 

そういう人だった!

 

じゃあ、秀子さんが好きだったさつまいものお菓子でも探してこようかな

 

 

そんなことを考えているときーー

 

フトやった目線の先に、隆夫さんのメモ書きが置いてあった。

 

 

あぁ、なるほど

 

必要なお金を書き出してあるのか

 

そして購入したものには線が引いてあるのね

 

いいよいいよ!

 

その調子だよ!

 

昔はお金で家族に迷惑かけたんだから!

 

こうやってちゃんと自分で管理できるようになったのは素晴らしいことだよ!

 

85歳、成長してるよっ!

 

……

 

……

 

あれ?

 

おや?

 

「秀子の3周年祭お供え  5,000」???

 

5,000って、五千円のことだよな……

 

まさか

 

「隆夫王国」では通貨は「タカオ」で

 

5,000タカオは日本円で1,000円なのか?

 

……

 

……

 

 

 *

 

 

お母さん

 

改めてお尋ねしますがーー

 

なんで結婚したんですか?

 

 

そこだけが

そこだけが

僕は今でも腑に落ちません

 

 

 

 

 

では、また。