ども、天邪鬼に振り回される岡田達也です。

 

 

 

 

 

本日、鳥取の最高気温は14℃の予想。

 

昨日より4℃低い。

 

夏は扇風機を2台、自分の身体に密着させ

24時間ぶん回すほど暑がりの父・隆夫さんだが

 

同時に極度の寒がりでもある。

 

朝から

「今日は寒いなぁ」

と、何度も呟いている。

 

ところで

 

その

「今日は寒いなぁ」

の呟きは決して独り言ではない。

 

そのセリフには別の意味が込められており

僕にはそれが手に取るようにわかる。

 

彼は

「今日は寒いなぁ」

という言葉の裏側で

 

「(灯油)ストーブ、まだ出さんのか?」

そう言いたいのだ。

 

 

……どうか早とちりしないでいただきたい

 

僕が

「このクソ親父、おまえなんかに暖を与えるわけないだろっ!」

と、ストーブを出すのを拒んでるわけじゃない。

 

実際、石油ストーブを物置から引っ張り出し

灯油も満タンに補充し

いつでも使えるようにスタンバイしてある。

 

隆夫さんが

「ストーブを出してくれ」

と言ってくれたらいつでもゴーできる。

 

準備万端である。

 

 

まぁ、現時点ではエアコンの暖房で十分間に合ってるので

まだまだストーブに頼るほどではないと個人的には思っているが。

 

 

 *

 

 

父が言う。

「今日は寒いなぁ」

 

僕は尋ねる。

「ストーブ出そうか?」

 

「ええわよぉ! まだ、出さんでもええわよぉ!」

 

「……」

 

「エアコンもあるしなぁ」

 

「……」

 

「でもな、気のせいか、昨夜はエアコンの効きが悪かったような気がするで」

 

「……温度設定の問題ではなくて?」

 

「暖房ってボタンを押したはずだけどなぁ」

 

「……」

 

「温かくならんかったなぁ」

 

「ストーブ出そうか?」

 

「ええわよぉ! まだ、出さんでもええわよぉ!」

 

「……」

 

「ところでーー」

 

「?」

 

「灯油ストーブとエアコンではどっちが安いんかなぁ?」

 

「……」

 

「ま、計算してみればわかるわけだけど」

 

「……」

 

「いい勝負かなぁ?」

 

「……」

 

「灯油の方が安いかもなぁ」

 

「ストーブ、出そうか?」

 

「ええわよぉ! まだ、出さんでもええわよぉ!」

 

「……寒いんじゃないの?」

 

「寒かったら毛布にくるまっとればええけな」

 

そう言って隆夫さんは毛布を膝にかけた。

 

 

問題は

その隆夫さんの姿で

 

彼の部屋着は

上半身はタートルのニット

下半身は真夏に履くステテコという

 

世にも珍しい

おそらく日本でただ一人組み合わせ

 

 

この人ーー

 

上半身が寒がりで

下半身が暑がりなのだ。

 

 

 *

 

 

矛盾する部屋着

 

限りなく語られるストーブへの愛

 

「用意しようか?」と言うと、断固として断られる

 

 

果たして

「いつストーブを出すのが正解なのか?」

 

僕の苦悩はしばらく続く。

 

 

 

 

 

では、また。