ども、どちらかと言えばそば派の岡田達也です。
鳥取駅の構内にとても有名なそば屋がある。
透き通ったあごだし(トビウオの出汁です)
申し訳程度に乗っているあご竹輪(トビウオで作られた竹輪です)
これがとても美味しくて、僕は子供の頃から大好きだった。
ただし、当時は駅のホームにしかなかったので、わざわざ入場券を購入しないと食べられなかったけど
今は、駅舎の中にあるので、入場券を買う必要は無く、誰でも食べることができる。
地元の人はもちろん、県外にもファンがいるらしい。
昨日、お昼を食べにこのそば屋に行ったのだが……
*
ここはお店の入り口に自動販売機があり、そこで食券を購入し、店に入って店員さんに渡すシステム。
僕は1人なのでカウンター席に座り食券を置いた。
僕の左隣のボックス席には3人組のOLさんが座っていて、そこに1人の女の子が遅れて合流し、計4人。
僕の右隣には2人組のサラリーマンが座っていた。
僕たちは、ほぼ同時に入店し、着席した。
僕より10歳くらい年上の店員さん(女性)が食券を回収していったのだけどーー
この店員さんが、この後展開される混沌とした世界を作り出す主人公となる。
この時点で食券は7枚ある。
そして麺類を頼む場合、「うどん」か「そば」かを選んで伝えなければならない。
7人分の注文
うどんかそばかの二択
3か所に分散しいている客
(他にもお客さんあり)
これらを一手に引き受けてさばくのは、素人さんならけっこうハードルが高いだろう。
けれど、このお姉さんはプロなのだ。
これくらいはお茶の子さいさいなんだろうと思っていた。
数分後。
お姉さんがサラリーマンの席に、丼とうどんのセットを運んできた。
ショーが開演した。
おじさんが言った。
「あれ? 俺、そばを頼んだで」
お姉さんは言った。
「え? そうだったかいなぁ?」
そう言いうと、お姉さんは僕のところにそのうどんを持ってきた。
「はい、お待たせ」
僕は言った。
「あの~、僕、そばを頼んだんですけど」
お姉さんは言った。
「あら? ホントかいな?」
ちなみに僕はこのお店でうどんを食べたことは一度もない。
お姉さんは、そのうどんを持ってOLさんのところに行った。
うどんが、店内で、たらい回しになっている。
OLさんは、どうやら4人中3人がざるそばを頼み、1人だけセットを頼んでいたらしい。
そのセットを頼んだOLさんに向かってお姉さんは言った。
「あなた、うどん頼んどったでなぁ?」
ここでさらなる悲劇が起こる。
「私?」
問われたOLさんは自分を指さして言った。
きみだよ、きみ
なぜ、最近の若い人は、質問されたら必ず聞き返すのだろう?
僕はそれが好きじゃない
そんなことを思っていると
驚いたことにOLさんはこう言った。
「私、どっちを頼みましたっけ?」
え?
ウソだろ?
自分の頼んだ物を忘れてしまったというのか?
「おしゃべりに夢中になってて、覚えてないや!(笑)」
それを聞いた同僚の子も爆笑している。
……笑ってる場合か?
お姉さんは強引に決着を付けに行った。
「うどんだ、うどん。あんたはうどんを頼んだはずだ」
あの~
大丈夫ですか?
僕たち以外にもお客さんはいますよ?
そこも込みにしての間違いだと、もう引き返せなくなりますよ?
僕が心配していると、最初のサラリーマンのおじさんが声を上げた。
「お~い! これ、カツが入ってないがな! 玉子丼だがな! 俺はかつ丼セットを頼んだで!」
このおじさん、かわいそうに丼も麺も違うものが届いている。
何もオーダーが通っていない。
なんて日だ
まぁ、生きていれば、こういう不運な日もありますよ
お姉さんは言った。
「あ、すみません、今カツをお持ちしましょうか?」
おじさんは言った。
「もうええけ、差額だけ返してぇな」
そりゃそうだろう。
カツだけ持ってこられても、かつ丼という料理を作ることはできない。
あれは鍋の中で玉子と一体化してこそのかつ丼なのだ。
待てよ……
この調子だと
僕の目の前にカツが乗ったうどんが運ばれてきたりするのだろうか?
僕は自分が頼んだ天ぷらそばが、無事に着丼することを祈らずにはいられなかった。
*
面白おかしく書いてしまったけど、昨日は忙しかったのでたまたまこんなアクシデントが起こっただけだと思われる。
味は間違いないので、鳥取に来た際は、是非とも食べてもらいたい。
僕にホールを担当するのは無理だな……
では、また。