ども、ハグするたびに「セクハラ大王」と呼ばれていた岡田達也です。

 

 

 

 

 

「ハイタッチ」がダメらしい。

 

 

営業再開されたボウリング場では

ストライクを出そうが、スペアを取ろうが、パーフェクトゲームをやってのけようが

筒井俊作を10人なぎ倒そうが

ハイタッチ禁止だそうだ。

 

 

開幕が決まったプロ野球でもハイタッチは自粛という話だ。

「グローブしていてもダメなんだろうか?」とか

「グータッチはどうなんだろう?」などの疑問は浮かぶが

とにかくハイタッチは自粛のままシーズンを迎えるとのこと。

 

 

 *

 

 

「握手」がダメらしい。

 

 

米国の感染症の専門家が言っていた。

「握手は必要なことではないし、我々はその慣習をやめなければならない」。

 

なるほど

握手は呼吸器系疾患が伝染する主な要因になるそうなので、そう言われれば仕方ないこだと思うしかない。

 

 

今までたくさんの握手をしてきた。

 

商売柄、お客さんとも、たくさんたくさん握手をしたし、

僕が好きな人(俳優さんやら、プロ野球選手)に「握手してください!」とお願いしたこともいっぱいあった。

 

好きな人とする握手がどれほど嬉しかったことか。

 

だから思う。

「握手は必要なことでじゃない。けれど、握手ができてどれほど良かったことか」と。

 

 

 *

 

 

「ハグ」がダメらしい。

 

 

「ハイタッチ」も「握手」もダメなのだから、これは当然だろう。

 

余談だが……

 

以前、水道橋にあるスパに行ったときのこと。

 

僕が風呂から上がって脱衣所に向かっているとき、

(当然、真っ裸である)

目の前から、風呂に向かう平野勲人くん(TEAM 発砲・B・ZIN)が歩いてきて、

(当然、真っ裸である)

真正面で対峙する形となった。

 

お互いがその偶然に驚き

「おおっ~!」と言いながら両手を広げ

ガッツリとハグを交わしたことが忘れられない。

 

52年の人生で、

実にたくさんの人とハグをしてきたけど、

真っ裸の男同士でハグしたのは、

あれが初めてだった。

 

 

 * *

 

 

俳優さんでよく見かけるのがーー

 

特に公演の初日などに多いんだけど

 

極度の緊張状態にある俳優が

別の俳優に握手を求めたり

ハグを求めたりすることはいっぱいある。

 

僕もおじさんになって

若い俳優さんから

握手やハグを求められる機会がどんどん増えて

 

その

僕の手を握りしめてくる感じや

身体の震えの具合で

相手の緊張感が伝わってきて

 

そのときしてあげられることと言えば

ただひたすら

強く強く

手を握り返したり

体を抱きしめてあげたり

 

そんなことしかできないんだけど

 

僕は、あの時間が、とても好きだった。

 

 

 * *

 

 

今、「肘タッチ」なるものが流行り始めているらしい。

(グータッチは大丈夫みたいですね)

 

それから「フット・タップ」なる、足の挨拶も考案されたらしい。

 

これから先、何が主流になるのかわからないけど

今のところ、僕はどれにも魅力を感じてない。

(慣れてないだけかもですが)

 

 

やっぱり「人の手」には素晴らしい力があって

 

“触れる”という行為によって

 

どれだけたくさんのことが通じてきたことだろう

 

それが無くなるのは寂しいなぁ

 

と感じてる。

 

(もちろん、僕ような人間ばかりではなく、「触れる」という行為が嫌いな人がたくさんいるのもわかります)

 

 

「ハイタッチ」も「握手」も「ハグ」もある時代に生きることができたことは

僕にとってはとても大事なことだった。

 

 

さてさて

これから先、時代遅れにならないように気を付けないと。

 

 

 

 

 

では、また。