ども、食い逃げしてしまった岡田達也です。
恐ろしい夢を見た。
*
「おまえの見た夢の話を聞かされてもなぁ……」という気持ちはわかる。
でも、
でも、
どうか聞いてほしい。
誰かに話さないと
元々おかしい頭が、もっとおかしくなりそうだ。
* *
僕は、東京・西新宿にある『ヨドバシカメラ』という家電量販店にいた。
何を買いに来たのかはわからない。
ただ、気付けばそこにいたのだ。
とーー
カレーのような、カレーじゃないような、何とも言えない香辛料の匂いが鼻に付いた。
「……なんでヨドバシカメラで食べ物の匂いがするんだ?」
不思議に思った僕は、匂いに釣られ、店内を歩きまわり、匂いの出所を突き止めた。
そこはタブレット売り場だった。
僕は足を止め、そしてギョッとした。
たくさんのタブレットが並んでいる中に、一皿のカレーが置かれていたのだ。
「……なんでタブレットの中にカレー?」
僕は、カレーに、近付いた。
その“見た目はカレーなのに、カレーのような、カレーじゃないような、とにかく今まで経験したことない匂いが立ち上ぼる食べ物”を見て、僕の足は止まった。
その香りというのが、僕の知る言葉では表現できないもので
僕は、どういうわけか、その場を離れられなくなって
頭では「ダメだ、ダメだ」とわかっているのに
そのカレーに向かってどんどん手を伸ばしてしまい
「おいおいおいおい、ここはヨドバシカメラだぞ。しかも「タブレット、タブレット、一つ飛ばしてタブレット」の真ん中にあったカレーだぞ。しかも、誰のカレーかわからないんだぞ。食べちゃダメだろ」
と、心の中で言いながらも手は止まらず
結局、僕はそのカレーを口に入れてしまった。
「こ、こ、これはっ!!!」
僕は慌ててもう一口
合計、ふた口も食べてしまった。
「……なんじゃ、こりゃ」
もう、放心状態である。
とにかく、今まで味わったことのない、
“カレーのようでカレーじゃない何か”を口にして
とんでもない衝撃を受け
糸の切れた凧のように僕はお店を出て、新宿駅に向かって歩き始めた。
その直後ーー
「おいっ! 待て!」
背後から怒声が聞こえてきた。
「この食い逃げ野郎っ!」
ええっ?
く、く、食い逃げですか???
僕は、呆然と立ち止まり、ボーっとした頭で考えた。
確かに、これは、食い逃げだ。
どこからどう見ても食い逃げだ。
もう、これは、観念するしかない……
僕は振り返った。
そこには、この人が立っていた。
「カ、カレー将軍じゃねーか……」
* *
『包丁人味平』を読んでいない方には、何のことやらさっぱりわからないだろう。
カレー将軍とは、本名を「鼻田香作」といい
昔、『週刊少年ジャンプ』で連載されていたマンガの登場人物で
主人公の味平とカレー対決を繰り広げ
スパイスを極めようとするがあまり
「麻薬入りのカレー」を作り出してしまい
最終的には自分が中毒になって
「俺は神様よ そうカレーの神様さ クアーッカッカッカカカ」
「さあみなの者このカレーの神様の足元にひざまづくのだ!」
「俺は神様だ クァーッカッカカカカカ 神だーっ」
などと絶叫しながら救急車で運ばれていった
おそらく
令和の世の中では
編集者からストップがかかること間違いなしの強烈なキャラクターだ。
* *
僕は食い逃げしたことはない。
*
僕は麻薬中毒患者ではない。
*
鳥取は緊急事態宣言を解除された。
ということは、
他の都道府県に比べれば、切羽詰まっていない状況にある。
ということは、
精神的にも追い詰められているわけじゃないと思われる。
*
なぜ、こんな夢を見たのか?
見てしまったのか?
もう、自分の深層心理が理解できない。
もっと幸せな夢を見たい……
では、また。
追伸
参考文献です。
『マンガに出てくる食べ物』
第43回 最凶の料理人 カレー将軍・鼻田香作
https://www.mandarake.co.jp/information/column/iwai/food/043/