ども、乗り切った岡田達也です。

 

 

 

 

 

僕はキュウリが苦手だ。

 

 

ここに、どれくらい苦手なのかを表してる証拠写真がある。

 

以前、心無い劇団の後輩たちに

無理やりキュウリを食べさせられそうになったときの物だ。

 

この不細工な表情を見てもらえれば

僕がどれだけキュウリを苦手としているのかが理解してもらえると思う。

 

(……「不細工なのは元々だろ?」とか言うんじゃないよ)

 

 

 * * 

 

 

昨日まで野菜苗の販売のお手伝いをしていた。

 

 

当然、キュウリも売られている。

 

扱っていたキュウリは

『夏ばやし』

『黒さんご』

『フリーダム』

この3種類だった。

 

 

「へぇ、そんな名前のキュウリがあるんだ……」

 

そう思った方も多いだろう。

 

安心してくれ。

 

僕もその一人だ。

 

 

 *

 

 

70代後半のお姉さんに声をかけられた。

 

「おにいちゃん、おにいちゃん、どのキュウリがウマいだ?」

 

断っておくが

僕にとって

美味いキュウリなど

この世には存在しない

 

がーー

 

これはあくまでも商売だ。

僕は雇われの身なのだ。

 

覚えておいてほしい。

 

なにも“バカ正直”だけが正義ではない。

“みんなが幸せになれるウソ”も存在するということを。

 

 

「どれもみずみずしくて美味しいですよ! ってか、美味しい物しか並べてませんから(笑)」

 

 

一体、どの口が言ってるのだ?

 

オマケに最後の笑顔はなんだ?

 

 

「そりゃそうだわな(笑)。こんねのは(このお店のは)、苗の様子がええけなぁ(苗が元気そうだ)」

 

 

良かった。

 

第一関門突破だ。

 

 

「おにいちゃん、『夏ばやし』と『フリーダム』はどう違うだいや?」

 

 

剛速球が飛んできた。

 

 

「『夏ばやし』はノーマルなキュウリです。 初期収量が多くて病気に強いんですよ」

 

「作りやすいっちゅうことかえ?」

 

「そうらしいですね」

 

 

僕はキュウリを栽培したことはない。

 

 

「で、『フリーダム』はイボ無しなんですけど、サラダや浅漬けに向いてるそうです」

 

 

僕は、サラダだろうが、浅漬けだろうが、遠慮する。

 

 

「あぁ、そうかぇ。なら『黒さんご』は?」

 

「『黒さんご』はイボが多めで曲がりが少ないんです。漬物に良いって言われてますね」

 

 

僕は、何が怖いって

キュウリの漬物が世の中で一番怖い。

 

 

「あぁ、イボが多いやつな」

 

「そうです、そうです!」

 

「あれはイケンわい。とるときに手がいたぁてな(痛くてな)」

 

「ですよね、痛いですよね!(笑)」

 

 

僕はキュウリを収穫したことはない。

 

 

「なら、普通のやつもらわぁかいな」

 

「『夏ばやし』ですね?」

 

「それ、それ」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 * *

 

 

「この大ウソつき!」と、気分を害された方

 

もう一度読み返してほしい。

 

 

・聞きかじった情報

・お店の札に書かれている商品説明

 

それらを利用して

 

断定している部分と

 

「だそうです」という“伝聞”を

 

適度に混ぜ込みながら

 

完全に黒ではなく

 

非常にグレーな表現に徹している

 

……ということを。

 

 

 

僕の未来は

『鳥取県知事』ではなく

 

『ジャパネットたかた』の販売員かもしれない。

 

 

 

 

 

では、また。