ども、今でも「野村克也名言集」をフォローしている岡田達也です。

 

 

 

 

 

昨日のつづき。

 

 

 *

 

 

父・隆夫さんが、ノムさんのサインを手に入れてくれて、僕にプレゼントしてくれた。

 

今でも思うのだけど……

 

よくぞ鳥取の片田舎で生きていて

どんなルートで

誰を頼りに

サイン色紙をもらってくれたのか?

 

たぶん、今、隆夫さんに尋ねても覚えていないだろうから聞かないけど

 

そのことは本当に嬉しくて

 

それが決め手となって

 

ホークスと、ノムさんを、応援し続けよう

……と思ったのだ。

 

 

そして、それは現実のものとなり

 

かれこれ40年以上もの間ーー

 

親会社が南海からダイエーになり、そしてソフトバンクに変わってもホークスを応援し

 

「生涯一捕手」としてオリオンズ、ライオンズに移籍し

引退したのちは、スワローズ、タイガース、シダックス(社会人野球)、イーグルスの監督を務めたノムさんを応援し続けた。

 

応援し続けることができた。

 

 

 *

 

 

「好きな人(選手)がいる」

「贔屓のチームがある」

「応援しようと思える存在がある」

 

ちょっと大げさかもしれないけど

それが、どれほど、僕の人生を豊かにしてくれたことか。

 

一喜一憂できる存在があるのって、いい。

 

とてもいい。

 

具体的な効果は何一つ説明できないけど

(語彙が無さすぎじゃないか?)

 

好きな人がいないより

好きな人がいる人生の方が

より充実しているーー

 

と、言い切れる。

 

それは間違いない。

 

 

 * * *

 

 

「ノムさん、亡くなったなぁ」

 

テレビのニュースを見ていて隆夫さんが言った。

 

「そうだね。寂しいね」

 

僕は返事した。

 

僕は、あなたのおかげで、この人を応援し続けてこられたのだ。

もう覚えてないだろうけど。

 

「……ノムさん、俺と同い年なんだよなぁ」」

 

そうだった。

隆夫さんとノムさんは、同じく1935年生まれだった。

 

「サッチーが亡くなって、ガクッと来たんだろうなぁ」

 

「……」

 

「男はそういう生き物らしいけなぁ」

 

「……」

 

「旦那が先に行くと、嫁さんは長生きするらしいけどなぁーー」

 

「……」

 

「男の場合は、嫁さんが先に行くと、すぐに弱ってしまって、後を追うように死んでしまうもんだけなぁ」

 

「……」

 

「弱い生き物だわいや」

 

僕は、ガマンしていたが、こらえきれずに尋ねた。

 

「秀子さんが亡くなって、ガクッとしてないの?」

 

「……」

 

「お父さん、めっちゃ元気そうだよね?」

 

「……」

 

「なんならお母さんが生きてるときよりも元気じゃないか?」

 

「そんなことないで!」

 

「……」

 

「ま、俺も生きて、あと2年かな」

 

「20年の間違いじゃないか?」

 

「……」

 

 * * *

 

ノムさん

たくさん、たくさん、ありがとうございました。

 

僕が最初に買ってもらったグローブはキャッチャーミットだったんです。

 

それくらい好きでした。

 

 

 

 

 

では、また。