ども、無くしてしまった岡田達也です。

 

 

 

 

 

一昨日のつづき。

 

 

 * * *

 

 

諸々の理由から

 

僕は

南海ホークスのファンになり

 

そして

野村克也選手のファンになり

 

ほとんどテレビで見る機会の無いチームと選手を応援することとなった。

 

これが、苦しかった。

 

なにせ、情報がない。

 

かろうじて『プロ野球ニュース』は見ていたけど

新聞を読む年齢ではなかった。

 

結果、選手の名前も顔も覚えられない。

 

好きな人の顔を思い浮かべることもできないなんて、なんだか歪んだ構図だ。

 

……いや、そもそも本当に好きなのか?

 

そんな自問自答を繰り返した。

 

だから

本音を言えば

ジャイアンツを応援したいという思いもあった。

 

そうすれば楽になる。

 

友達とも盛り上がれる。

 

 

だがーー

 

これもすべて

父・隆夫さんの「判官贔屓」

あるいは「天の邪鬼」から生まれた教育の賜物であって。

 

そんなこと無視すれば良かったのかもしれないけど

 

でもでも

僕が隆夫さんから直接教わったことはとても数が少なく

以下の3つくらいしか記憶にない。

 

・弱いチームを応援しろ

 

・嵌張(カンチャン)より先に辺張(ペンチャン)をほぐしていけ

(麻雀用語です)

 

・八つ袴(あるいは七つ袴)の読み方

(パチンコ用語です。いわゆる「釘」ですね)

 

これくらいであって

 

さらに

「父の背中を見て学んだこと」と言えば

 

・サラ金に手を出してはいけない

 

ということだけだ。

 

……うん

 

どう考えても以上の4つしか教わっていない。

 

その数少ない教えの1つくらいは守らなければならない。

 

それが親子というものではないか。

 

 

……

……

 

話が大きく逸れてしまった。

 

とにかく

僕はホークスとノムさんを応援し始めたのだ。

 

くじけそうになりながら。

 

 

そしてーー

 

それから1年後くらいだったろうか?

 

驚くべきことが起こる。

 

隆夫さんが僕にプレゼントをくれたのだ。

 

それは

ノムさんのサイン色紙だった。

 

そこには

子供には読解不能の「野村克也」という文字と

ホークスという文字と

背番号の19という数字が書かれていた。

 

 

隆夫さんがどうやって手に入れたのか?

 

それは僕にはわからない。

 

けど、とにかく嬉しくて

「あぁ、ホークスとノムさんを応援しよう!」

と思うに十分な材料だった。

 

 

子供とは素直で、単純な生き物だ。

 

 

 *

 

 

ちなみにーー

 

そのサインはもうどこにも見当たらない。

 

なんて罰当たりな息子なのだろう。

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

追伸

 

人間ドック、無事に終わりました。

結果はまた追ってみなさんにもお伝えしますね。

ご期待ください。