ども、乾燥男の岡田達也です。

 

 

 

 

 

僕が芝居をやる上で、常に頼りにしているのは

 

・酒

・風呂

・吸入ステロイド

 

この3点セットだ。

 

……こうして改めて書いてみると

とても俳優業とは思えない、なんとも怪しげな香りがする3つだが

どれか1つ欠けても、僕の芝居には大きな影響が出ると思われるので

 

いやーー

 

影響どころか

芝居ができなくなってしまう可能性が大なので

必需品と言っていい。

 

 * *

 

昨日も2ステの疲れを癒し、今日の2ステに備えるために

劇場を出て、そのまま赤坂のサウナに向かった。

 

ホテルの中にあるそのサウナは

こじんまりとしているものの

清潔感がありアメニティも揃っているのでたまに利用している。

 

 

風呂上がり

僕はパウダールームに行った。

 

化粧水を手に取ろうとポンプの頭を押した。

 

が、出なかった。

 

「……あれ? これ、切れてるな」

 

僕は隣においてある化粧水を試した。

 

が、これも出なかった。

 

「……おや?」

 

鏡は5ヵ所ある。

 

僕はすべての鏡の前にある化粧水を手に取った。

 

しかしーー

全部空だった。

 

化粧水だけが、ない。

 

ただでさえ乾燥しきっている男だ。

 

冬になると決まって、後輩の小多田直樹に

「肌、ガッサガサじゃないですか!」

と、笑われるほどの乾燥男だ。

 

潤いが要る。

水分がなければシワシワになって干からびてしまう。

 

僕はフロントに行き

赤いシャツを着た店員さんに声をかけた。

 

アジア人らしい若者だった。

 

 

「あの~、すみません」

 

「なにかでしょう?」

 

……惜しいな

 

「化粧水が無いんですけど」

 

「あ~、それそれ!」

 

……どれ?

 

「けしょうすい、まぁまぁ、ありません」

 

……まぁまぁ?

 

「けしょうすいは5日までおやすみです」

 

……化粧水が休み?

 

「しょうがつですもん」

 

……あ!

ひょっとして正月休みで仕入れがないということかな?

 

「まぁまぁ、ありませんよ、けしょうすい」

 

その繰り返された「まぁまぁ」に思わず笑ってしまった。

なにより彼の笑顔が可愛くて、何とも言えない愛嬌がある。

 

僕は化粧水を諦め、話しかけた。

 

「お兄さん、日本語、上手だね」

 

彼は照れ臭そうに笑って言った。

 

「いや~、まぁまぁです」

 

「(笑)。どこから来たの?」

 

「ネパールです」

 

「日本に来てどれくらい?」

 

「まぁまぁ、5ねんです」

 

「(笑)」

 

 

誰かに教わったのか

独学で学んだのか知らないが

彼の「まぁまぁ」の使い方に大いに癒された。

 

 *

 

お風呂と、ネパールの力で

今日もまぁまぁ頑張ろうと思う。

 

 

 

 

 

では、また。