ども、『凱旋門賞』を獲ったことがない岡田達也です。

 

 

 

 

 

演劇をやっていると、たまに次のような意見をいただく。

 

「千穐楽にその芝居ができるのなら、初日からそのクオリティでやれよ」

 

意見というか、お叱りである。

 

なるほど……

 

たしかに

初日だろうが千穐楽だろうがチケットの料金は同じなわけだから

同じ金額を払うなら、より面白いもの、より完成されたものを観たいーー

その気持ちはよくわかる。

 

なんだけど
その注文に応えることは不可能なんじゃないか?

と思っている。

 

少なくとも僕は。

 

ちょっとだけ言い訳させてもらうがーー

 

芝居は変化していくのだ

絶対に

 

だって人がやってることだから。

 

 

例えば

どんな単純作業だって、回数を繰り返していくとどんどんスピードが上がるように

 

例えば

料理だって、毎日作っていると味が安定してくるように

 

慣れる

あるいは

体に染み込んでいくということは

どんな世界でも絶対にある。

 

外郭(やってること)は変わらなくても

中身が変わっていくのは

 

言葉が違うかもしれないけど

「仕方がない」あるいは「当然のこと」なのではないだろうか。

 

僕たちだって

基本的には“お客さんは1回しか観ない”という前提で舞台に立っているわけで

「63ステージあるんだから、千穐楽までに完成すればいいや」

なんて気持ちはこれっぽっちもなく

初日から、そのときのベストを提供している自負はある。

 

 

ただし。

 

僕たちは毎日、相手役の芝居や、共演者の芝居を見ているから

変化がわかりやすく、それを楽しむことはあるけど……

 

それは、まぁ、仕事の一つと思って理解してもらえるとありがたい。

 

 *

 

『刀剣乱舞』

本日より、赤坂ACTシアターにて東京凱旋公演。

 

28ステージ前から積み重ねたものは

とても良い方向に変化していると思う。

 

特に田淵累生くん(和泉守兼定役)など

恐ろしいほどの成長を見せつけてくれており

 

伸びしろが見当たらない51歳は

毎日、羨望のまなざしで彼を見ている。

(……あくまで個人的な意見ですよ)

 

 

「凱旋」の名に恥じない芝居になっていると思います。

 

劇場でお待ちしています。

 

 

 

 

 

では、また。