ども、ジャイアン岡田達也です。

 

 

 

 

 

ホームグランドのキャラメルボックスでは

「ジャイアン」と呼ばれ

後輩たちから大いに煙たがられている。

 

そりゃそうだろう

 

いつ飛び出してくるかわからないプロレス技

理不尽な無茶振り

強めのツッコミ

 

僕の言動は、いつだって子供じみている。

 

 *

 

昨日も書いたとおり

いつパワハラで訴えられてもおかしくない大人げない立ち振舞は

せめてホームだけにしておこうと思っていたのに

 

稽古場で

染谷俊之くん(通称・ソメ)の顔を見た瞬間に体が勝手に動いてしまい

スライディングタックルからのカニバサミを狙ってしまった。

 

実に大人げない。

 

ソメに注意されて、僕は我に返った。

 

そうだった

目指しているのはナイスミドルだった。

 

僕は静かに立ち上がり

「ごめんね」

と謝れば良いところを

 

間違えて

「今回もソメのことオモチャにさせてもらうね」

と言ってしまった。

 

 *

 

「ちょ、ちょっと勘弁してくださいよ! 今回は僕よりも生きの良い若者がいっぱいいますから! そっちをいじって鍛えてやってくださいよ!」

 

「例えば?」

 

「ここにいる小西くんなんか、まだ19歳ですよ」

 

驚いた。

 

未成年もいるというのか?

 

なんと充実した人生を送っているんだろう。

その年齢で、こんな大きな舞台のプレッシャーと戦ってるなんて。

 

自分が19歳のときを思い返すと雲泥の差ーー

いや、

雲泥どころではない。

地下のマントルと、銀河系の端っこくらいの差がある。

 

「そうか、君は19歳なんだ?」

 

「はい」

 

小西くんは

とても笑顔が可愛い

まだ、どこかにあどけなさが残っている青年だ。

 

きっとこの先、たくさんの経験を積んで、立派な俳優さんになっていくんだろう。

 

と……

 

ここで、嫌な予感がした。

 

「……小西くんさぁ」

 

「なんでしょう?」

 

「お父さん、おいくつ?」

 

「50歳です」

 

「……」

 

でた

 

でた

 

でたよ

 

親御さんのほうが自分より年下という衝撃の事実

 

いつかは来ると思っていたけど

 

それはあたり前のことだけど

 

それでも、やっぱり、

こう、なんというか、

それなりのショックはある。

 

僕は平静を装って言った。

 

「まちがっても、俺のことを「お父さん」なんて呼んじゃダメだよ」

 

「はい、お父さん(笑)」

 

ソメの言う通り

鍛え甲斐がある若者が登場した。

 

公私ともに面倒を見ようと思う。

 

 *

 

……はぁ

 

僕が大人になれる日は来るんだろうか?

 

 

 

 

 

では、また。