ども、弱い岡田達也です。

 

 

 

 

 

僕は弱い生き物だ。

 

 

それは昔から自覚していた。

 

具体的な例を挙げればきりが無いのでやめておくが

 

とにかく

「強い意志」とか

「負けない心」とか

そういう“人として大切なもの“とは無縁な人生を送っている。

 

 

きっとこれからも

「すぐに折れる心」と「バッキバキに折れている翼」を

抱えながら生きていくんだと思う。

 

 

 * * *

 

 

昨日の日記の最後に

「明日は絶対に違うこと書いてやる」

と書いた。

 

父・隆夫さんのことばかり書いている(書いてしまっている、あるいは書かされている)自分に嫌気が差し

なんとか、その泥沼の世界から脱出したい、という一心で

そんなことを書いたのだ。

 

どうか信じてほしい

 

そのときは

少なくとも昨日の朝は

本気でそう思っていた。

 

それはウソじゃない

 

 

 * *

 

 

隆夫さんは一週間ほど前

風邪をひいていた。

 

数日、パチンコ通いを休んだくらいだから

これは重症と言っていいだろう。

(3日前から出勤しているのでご心配なく)

 

 

その最中は

食事当番を務める僕としても

「何なら食べられるのか?」

「何を食べれば元気になるのか?」

をずっと考え、悩んでいた。

 

が、悩むよりも聞くほうが早いと思い

「何なら食べられそう?」

と尋ねた。

 

「う~ん、肉だな」

 

……うどんとかお粥じゃね~のかよ

 

「肉を食べれば元気になりそうな気がする」

 

……もう少し、こう、風邪のとき向きのメニューがあるんじゃないのか?

 

「柔らかい、良いカルビをーー」

 

……条件細かいな

 

「量は必要ないけなぁ」

 

……大量に食われたら、家計に響くわ

 

「3切れでええけな」

 

……だから「ええ」って言うなよ。もしかすると「それでいからね」って謙虚な心持ちで発言してるのかもしれないけど、言葉ってのは不思議なもので、どうしてもニュアンスが乗っかるのさ。舞台俳優やってて良かったなと思える一つは、そのあたりのことに敏感になったってことだよ。あなたの場合、謙虚さの欠片も感じられませんけど。ひょっとして前世は殿様か何かですか? 例えば「3切れお願い」とかって言葉をチョイスして、下から言えないものですか?

 

という長いツッコミを

0,1秒で

しかも心の中だけで片付けた僕は

イオンに買い物に行った。

 

まぁ、早い話

この「好き嫌いの権化」みたいな人は

食べられるものが極端に少なく

「牛肉が大好き」という非常にわかりやすい人で

 

だから

風邪をひいてようがひいてまいが

そんなのはお構いなしに

いつだって牛肉が食べたいだけの人なのだ。

 

 

僕はそれから4日

「やわらかいカルビを3切れ」

「プルコギ」

「玉ねぎと和牛の炒めもの」

「やわらかいカルビ」

手を変え品を変え

(……というほど変わっていないが)

僕は牛肉を食卓に出した。

 

 

 * *

 

 

昨日

隆夫さんはパチンコ仲間と外食してくると言った。

 

鳥取駅の近所にある

『◯将軍』という焼肉店のマスターがパチンコ仲間らしく

そのお店に、仲間たちとたまに食べに行ってるようだ。

 

昨日も9人の負け犬たちーー

失礼

パチンコの常連さんたちが集まってワイワイやったらしい。

 

 

上機嫌で帰宅した隆夫さんは言った。

 

「肉を食べたら元気になった気がするで! なんか体が軽いわ! もっと早く肉を食っておけば良かったな!」

 

 

「……ここ数日、肉しか食わせてませんけど」

という言葉を、僕は飲み込んだ。

 

 

 *

 

最近、アルコール意外にも飲み込むものが多すぎて

体に悪い気がしている。

 

 

 

 

 

では、また。