ども、腕が重だるい岡田達也です。

 

 

 

 

 

『世襲戦隊カゾクマンⅢ』

大阪に移動。

 

 

大阪公演ですが、おかげさまで満員御礼だそうです。

ご予約いただいたみなさま、ありがとうございます。

当日券がどうなるのか、確認できたらお伝えしますね。

 

 

 * * *

 

 

種子島空港で、とある親子に会った。

 

子供は男の子で、年齢は5歳くらいだろうか?

おそらく小学校に入ってないくらい。

空港の中を、さらに小さな弟と、力いっぱい走り回っていた。

 

目が会った。

こっちを見てニコニコしている。

なんて可愛いんだ。

 

薄汚れた大人から見たら、子供の純真さというのは、目にも心にも沁みる。

 

こちらに向かって笑いかけてくるので

僕はそのお礼に腕を掴んでブンブン振り回してやった。

男の子は「キャッキャ」言って喜んでくれた。

 

僕は手を離した。

 

男の子のテンションが変わったのがわかった。

今度は僕に向かって奇声を上げながら突進してきたのだ。

確実にギアが一段上がっている。

 

僕は男の子をキャッチし、おもむろに“高い高い“をしてやった。

 

男の子は「キャーキャー」言って喜んでくれた。

 

 

これが……

大いなる失敗だった。

 

 

下ろした瞬間、彼は言った。

「もう1回、もう1回!」

 

うん

まぁ、俺も男だ

キミはけっして軽くはないが、もう1回くらいはやってあげてもいいぞ

 

さっきよりも高めに抱え上げた。

男の子は「キャーキャー」ではなく、「ギャーギャー」言い始めた。

 

ところが……

 

下ろした瞬間

「もう1回、もう1回!」

とおねだりしてきた。

 

……え?

もう1回?

キミ、けっこう重いよ……

 

と。

隣りにいたお母さんに「すみません。ありがとうございます」とお礼を言われた。

 

よく見ると

お父さんとお母さんで旅行の行程の相談をしているらしく

今、子供に手を取られないでいるのは非常に好都合らしい。

 

……うん

まぁ、中年といえど俺も男だ

キミはけっして軽くはないが、お父さんとお母さんのためにも、もう1回くらいはやってあげてもいいぞ

 

さっきと同じ高さに抱え上げた。

僕の腕は少しだけ震えた。

男の子は相変わらず「ギャーギャー」言っている。

 

そして……

 

下ろした瞬間

「もう1回、もう1回!」

と、当然のおねだりしてきた。

 

……え?もう1回?

キミ、キミ

おじさんはね、今日は移動日であって、トレーニングの日ではないのだよ

 

と。

今度はお母さんに「すみません。ありがとうございます、助かります」とお礼を言われた。

 

「助かります」?

 

つまりこういうことでしょうか?

この状態がしばらく続くと我々夫婦は助かります

もしもお暇なら、飛行機に乗るまで、もうしばらく相手をしてやってください

ーーみたいなことですか?

 

わかりました

こう見えて、人助けには一役買いたいと思ってる男なんです。

 

僕は覚悟を決めて

震える腕で、高い高いを繰り返した。

 

 *

 

今、猛烈に腕が重い。

朝食のお箸を持つにも苦労した。

 

フト思った。

 

世の中のお父さんはエライなぁ

こんなの毎日やってたら、みんなアームレスリングのチャンピオンになれるのではないか?

……と。

 

とても楽しい時間を過ごさせてくれてありがとう。

(お母さんに写真掲載の許可は頂いてますのでご安心を)

 

 

 

 

 

では、また。