ども、まだまだ賞味期限の岡田達也です。
北見公演終了。
たくさんのお客さんにご来場いただき
最初から最後まで楽しんでいただけたようで
オマケに
ちびっこの笑い声もたくさんたくさん含まれていて
こちら側がまるでドリフをやってるような気分になるほど
幸せな時間を過ごさせてもらった。
ビバ北見のみなさん
ビバチビっ子
ビバ焼き肉
北海道遠征はこれにて終了。
今日、一度東京に戻って今度は九州に向かいます。
* * *
「セリフは常に新鮮に!」
これは演劇界では言わずもがなの常識である。
つまり
舞台上で起きる出来事というのは
常にその時が初めてなわけだから
前の人のセリフを聞くのも初めてで
自分が発語するセリフも初めてで
当然、いつだって新鮮味たっぷりの芝居になる
なって然るべき
ならなきゃおかしい
ならなければ腹を切れ
ーーと演出家が鬼の形相で叫んだりする。
それは、まぁ、確かになぁ、と思う。
なんだけど
それは理屈上の話だよな
とも思うのだ。
演劇界から干される可能性が高いので
絶対に誰にも言わないでもらいたいのだが
私の本音はこうだったりする。
「そんな新鮮味たっぷりの芝居ばかりできるわけね~だろ! だって人間だもの!」
と、相田みつをさんの言葉を拝借して言い訳したくなるほど、新鮮さというのは薄れるものだ。
(あくまでも僕の場合ですからね。北島マヤは違うと思います)
だってね
1ヶ月も稽古して
本番に入ってお客さんの反応を手に入れて
毎日毎日同じセリフをしゃべってれば
そりゃ腐りかけのバナナみたいになるセリフだってありますがな
(……例えがイマイチ良くないな)
でも
でもでもでも
どうか誤解しないでほしいのだけど
新鮮味を失う代わりに
発するセリフの安定感は強まるし
より微調整ができるようになるし
……と、けっして悪いことばかりではない。
*
昔
『TRUTH』というお芝居をやったときに
肉体的にお精神的にも
あまりにも疲弊して
新鮮味なんて欠片も無くなり
新鮮味どころか
あろうことか舞台上でこれっぽっちも気持ちが動かなくなり
舞台に立つのが恐くて恐くて仕方がなくなったとき
一緒にやっていた上川隆也先輩に相談したことがある。
たかやん先輩は言った。
「俺だってそんなことあるよ」
え?
先輩みたいな人でもですか?
その事実は驚きで
そして
「自分だけじゃないんだ」
と、とても嬉しくもあった
「無理に気持ちを動かそうとジタバタしてもしょうがない。それよりも、いつもより相手役を見てればいい。相手役に集中してればいい。やれるのはそれぐらいだ」
ひょっとすると
これはずるい考えなのかもしれないけど
僕はこの言葉でどれだけ救われたことか。
*
いつもならステージ数が重なってくると
そのような
新鮮味が失われたり
慣れてしまったり
ビビッドな反応が薄れることがあったり
そんな恐怖と戦わなければいけなかったりするのだけど
この『世襲戦隊カゾクマンⅢ』には
不思議なくらいその恐さがない。
舞台上で起こるほんの些細な変化が本当に面白い。
昨日の本番でも
自分は演者なのに
あやうく吹き出しそうになったりするシーンがあった。
どうやら腐る心配が無いお芝居のようだ。
そして
そう思えたことがとても幸せだったりする。
増した安定感と
まだまだ面白さを求めて変化する姿勢と
両方を失わずに九州に行けることがとても嬉しい。
九州のみなさん
お待ちしています!
* * *
ちょっとピンぼけだけどお気に入りの一枚。
では、また。